(1)授業の達成目標 | 授業で得られる「学位授与の方針」要素 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 大学DP | 学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力 | ⇔ | 地球環境の現状と課題を理解し,人類の活動が地球環境に与える影響を客観的に定量的に評価する方法を理解し実施できるようになる。 |
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(2)授業の概要 | 地球環境の現状と課題について概説します。人類の活動が地球環境に与える影響を客観的に定量的に評価するLCAの概要を説明します。とくに,製品やサービスの資源採取から廃棄に至るまでのライフサイクルにおける環境負荷量や環境影響量を見積もるライフサイクルインベントリーについて適用例を説明します。この評価手法を修得するため,身近な製品やサービス・行動を例題としてLCIを実施する演習を行います。そして,LCI結果を用いた環境負荷低減のための意志決定について考察します。カーボンフットプリント制度や環境ラベルなどの仕組みと期待される効果を理解し,さらに,今後のLCAの新たな展開について解説します。SDGsの中からいくつかの項目を取り上げ,実効的な環境活動を行うためのLCIの役割について考察し,レポートにまとめます。提出されたいくつかのレポートを取り上げ,意見交換を行います。 |
(3)授業のキーワード | 低炭素社会,地球温暖化,資源循環,環境配慮設計,再生可能エネルギー,環境影響評価,環境情報,環境アセスメント,バイオマス利活用,未利用エネルギー,ライフサイクル評価,環境教育,環境法,環境マネジメント,持続可能発展,SDGs,リサイクル,LCA,LCI,3R,環境配慮活動 |
(4)授業計画 | 第 1回(4/12) ガイダンス,期末レポートに向けた学習課題説明 第 2回(4/19) 地球環境の現状(エネルギー問題) 第 3回(4/26) 地球環境の現状(資源問題) 第 4回(5/10) 環境マネジメントシステムにおけるライフサイクル思考 第 5回(5/17) 環境ラベル,カーボンフットプリント制度の概要 第 6回(5/24) ライフサイクルアセスメント(LCA)の概要 第 7回(5/31) ライフサイクルインベントリ(LCI)(レポート作成・提出1回目) 第 8回(6/ 7) ライフサイクル影響評価,結果の解釈(レポート作成・提出2回目) 第 9回(6/14) 低炭素化社会の構築と環境法規 第10回(6/21) 環境技術 第11回(6/28) LCAの事例研究(様々な商品・サービスにおける適用例) 第12回(7/ 5) 持続可能な開発目標(SDGs)に関連して(エネルギー) 第13回(7/12) 持続可能な開発目標(SDGs)に関連して(つくる・つかう) 第14回(7/19) 期末レポート作成・提出(レポート作成・提出3回目) 第15回(7/26) レポートに関する意見交換と授業のまとめ,授業アンケート回答 |
(5)成績評価の方法 | 3つのレポートにより成績を評価します。 (レポート作成・提出1回目)第7回(5/31)ライフサイクルインベントリ(LCI)演習 (レポート作成・提出2回目)第8回(6/ 7)ライフサイクル影響評価,結果の解釈の演習 (レポート作成・提出3回目)第14回(7/19)SDGsに関する期末レポート 3つのレポートはそれぞれの講義時間内に作成し,提出してもらいます。必ず出席してレポートを提出してください。成績は3回のレポート(配点:30点+30点+40点=100点)により評価します。 |
(6)成績評価の基準 | 授業の基本的内容を理解したと認められる60点以上の受講者について単位を認定します.成績評価の基準は以下の通りとします。 (ⅰ)可 C 「水準にある」(60点以上70点未満):LCIの計算ができる (ⅱ)良 B「やや上にある」(70点以上80点未満):LCIに基づき環境影響評価ができる (ⅲ)優 A「かなり上にある」(80点以上90点未満):ライフサイクル思考に基づき有効な改善提案ができる (ⅳ)秀 S「卓越している」(90点以上100点まで):改善の提案が有効であり優れている |
(7)事前事後学習の内容 | 地球環境課題を理解し解決へ向けて有効な手段を選択・提案できる能力を修得するには,授業中の説明を理解するとともに,関連する科学的・工学的・社会的問題の理解が必要です。事前事後学習として必要な内容は調査研究を行うように授業中に指示します。また,事前事後学習に必要な参考書や資料・文献は,授業中に紹介します。 |
(8)履修上の注意 | 単位を与えられるためには,授業に出席するだけではなく,予習復習などの授業時間外学修が必要です。特に,地球環境課題を理解するには,関連する科学的・工学的・社会的問題の理解が必要です。知識や理解が不足していると思う場合は,授業の事前・事後において自主学習の時間をとり自ら補ってください。日頃から情報の収集に努め,環境関連事項の動向の把握とその考察に努めてください。 |
(9)質問,相談への対応 | 授業時間中に解説した事柄は授業中に理解することに努め時間内に質問するように心がけてください。授業や事前事後学習の際の疑問点に関する質問については,特に曜日と時間の指定はしません。担当教員は長野(工学)キャンパス所属のため,メールにて質問を受け付けます。なお,口頭での討論が必要であれば,オンラインでも実施可能です.その場合も,スケジュールを調整のためメールにて連絡をください。 メールアドレス:maxnaka@shinshu-u.ac.jp |
(10)授業への出席 | 本授業は全ての回に出席することを前提としますが,「信州大学における授業の出席に関する要項」第4に規定する「学修の補充の対象とする事由」で欠席した場合のみ,欠席5回までは配慮をします。 |
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 | 「学修の補充の対象とする事由」により出席ができない場合は,共通教育履修案内に掲載されている方法により補充を受けるための申請を行ってください。申請があった場合に限り補充を行いますが,補充の内容は欠席した授業の回により異なるため,個別に指示します。 |
【教科書】 | 指定しない |
【参考書】 | ・稲葉敦,「改訂版 演習で学ぶLCA-ライフサイクル思考から,LCAの実務まで-」,シーエーティー,2018,2200円 ・伊坪徳宏ほか,「LCA概論」, 978-4862400192, 産業環境管理協会, 2007, 3800円 ・吉田敬史, 「ISO 14001:2015 要求事項の解説」, 978-4542402652, 日本規格協会,2015, 4180円 ・鈴木敏央, 「新・よくわかるISO環境法」改訂17版, 978-4478115695, ダイヤモンド社, 3200円 ・伊坪徳宏ほか, 「LIME2 意志決定を支援する環境影響評価手法」, 978-4862400550, 産業環境管理協会, 2010, 5000円 ・伊坪徳宏ほか, 「LIME3 ―グローバルスケールのLCAを実現する環境影響評価手法」, 978-4621303221, 丸善出版, 2018, 10000円 |
【添付ファイル】 |
なし |