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開講年度 2023年度 登録コード G2B60119
授業名 環境共存の社会学入門
Introduction to Sociology of the Co-existence with Nature
担当教員 金澤 謙太郎 副担当  
講義期間 後期 曜日・時限 月4 講義室 共通教育42講義室 単位数 2
対象学生 授業形態 講義 備考  
授業で学べる「テーマ」 環境共生
全学横断特別教育プログラム 環境マインド実践人材養成コース
注意)「曜日・時限」「講義室」等は変更される場合がありますので、「キャンパス情報システム」や「掲示」等で確認してください。

(1)授業の達成目標
授業で得られる「学位授与の方針」要素【授業の達成目標】
大学DP
学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力・環境と共存する人びとの生活や生業の様式を説明することができる。 ・モノがどこから来て、どこへ行くのかを具体的に述べることができる。 ・他人や地球をできるだけ傷つけない試みや実践と関わっていく糸口を示すことができる。
(2)授業の概要 日本の環境社会学は、公害や大規模開発などの問題の解決を目指す「環境問題の社会学」と、民俗学や人類学・地域研究が牽引し「環境共存の社会学」として展開されてきた研究がベースになっています。「環境共存の社会学」では自然環境と調和して共存してきた社会の特徴を探究します。地域の環境再生の試みや資源循環型の町づくり、グローバルなレベルにおける人間社会と自然との共生などのテーマ群を含みます。この講義を通じて、かつて人と環境の関係がどういうものであったのか、現在それがどういう状態におかれているのかを見定める知恵や想像力を養います。
 講義の前半では、自然環境と調和し共存してきた社会の特徴を先住者たちの生活様式や生業から考察します。主な事例を東マレーシア、サラワク州(ボルネオ島)のバラム河流域からとり上げます。熱帯雨林に暮らす狩猟採集民の生活や生業の様式を概観し、彼らの食糧の確保、資源やエネルギーの利用にみられる諸特徴を理解します。後半では、グローバル・コモディティや一次産品と呼ばれるモノを例に、社会経済的なグローバル化をめぐる問題群について考えます。地球環境と私たちとの関係や両者が抱える現代的課題を追究しながら、他人や地球をできるだけ傷つけない社会への手がかりや可能性を探ります。
(3)授業のキーワード 環境共存、環境問題、地球環境、熱帯雨林、狩猟採集民、農耕民、生態資源、多様性、モノカルチャー、人権、環境マインド
(4)授業計画1. イントロダクション
2. グローバル・ヒストリー
3. 狩猟採集社会・農耕社会
4. 人類学・地域研究からの問いかけ
5. 文化生態学
6. コモンズ論
7. 生態資源論
8.グローバル・コモディティ
9.モノを辿るアプローチ
10.認証制度
11.フェアトレード
12.社会的リンク論
13.マクドナルド化する社会
14.精神のモノカルチャー
15.まとめ、授業アンケート
(5)成績評価の方法 期末レポート(50%)及び授業時間内の小レポート(50%)で評価します。
(6)成績評価の基準 レポートは小論文形式とします。(ⅰ)授業の内容を正確に理解し、(ⅱ)論理的に文章が構成され、(ⅲ)オリジナルの見解を含み、(ⅳ)自分のことばで適切に表現でき、(ⅴ)教員を感心させるレベルにあるかという観点から評価します。(ⅰ)から(ⅴ)の5項目を満たせば「卓越している」、4項目を満たせば「かなり上にある」、3項目であれば「やや上にある」、2項目であれば「水準にある」とします。
(7)事前事後学習の内容 環境共存に関する文献や記事には注意を払い、自分なりの問題意識をレポートに反映させてください。また、毎回配布する資料や下記の参考書等を事前事後学習に活用してください。適宜、宿題も出します。
(8)履修上の注意 受講希望者が超過した場合、履修抽選システムにより抽選を行うことがあります。
(9)質問,相談への対応 授業時間後に質問や相談に応じます。また、研究室を直接訪ねてもらって構いません。研究室は共通教育第1講義棟の北校舎4階です。メールで日時を相談してください。アドレスは、kanazawa@(@以下は大学で付与されているものと同じ)です。
(10)授業への出席 全ての回に出席することを前提とします。
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 「学修の補充の対象とする事由」により授業に出席できない場合は、共通教育履修案内に掲載されている方法により学修の補充を受けるための申請を行ってください。
【教科書】 指定しない
【参考書】・小川幸司編『岩波講座 世界歴史1: 世界史とは何か』岩波書店
・池谷和信編『地球環境史からの問い』岩波書店
・池谷和信編『狩猟採集民からみた環境史』東京大学出版会
・環境社会学会編『環境社会学事典』丸善出版(2023年3月刊行)
・金沢謙太郎『熱帯雨林のポリティカル・エコロジー』昭和堂
・井上真・宮内泰介編『コモンズの社会学』新曜社
・宇沢弘文・関良基編『社会的共通資本としての森』東京大学出版会
・山田勇編『生態資源』昭和堂
・見田宗介『現代社会の理論:情報化・消費化社会の現在と未来』岩波新書
・岩崎駿介『一語一絵 地球を生きる〔上巻〕〔下巻〕』明石書店
・鶴見良行『バナナと日本人』岩波新書
・村井吉敬『エビと日本人Ⅰ・Ⅱ』岩波新書
・ブルーノ・マンサー『熱帯雨林からの声』野草社 
・ルーカス・シュトラウマン『熱帯雨林コネクション』緑風出版
・藤川賢・友澤悠季編『講座シリーズ環境社会学第1巻』新泉社(2023年4月刊行予定)
・鬼頭秀一『自然保護を問いなおす』ちくま新書
・ジョージ・リッツァ『マクドナルド化する社会』早稲田大学出版部
・ヴァンダナ・シヴァ『生物多様性の危機:精神のモノカルチャー』
【添付ファイル】 なし



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