(1)授業の達成目標 | 授業で得られる「学位授与の方針」要素 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 大学DP | 的確に情報を収集し,理解し,発信する力 | ⇔ | ・大学での学修の土台となるAcademic Skillsを使えるようになる。
・英語を使い他者とコミュニケーションを取ることができるようになる。 |
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(2)授業の概要 | 毎回、コトバ(英文法)にまつわるナゾ「なんで?」を取り上げ(下記授業計画を参照)、自分で、時にグループで (グループワーク、グループディスカッションやグループプレゼンテーション)、時にゼミ生全員で「なんで?」を考え探り、解き明かしていきます。その時のキーワードは、「頭で覚える」ではなく「なんで?を探究する」「感覚で攻める」です。
・授業のねらい コトバってなに? -人間がつくり使いつづけてきた人と人をつなぐコミュニケーションのための「道具」です。 コトバを「道具」だととらえてみると、ただただ「道具」を持っているだけ、ただただ「コトバ」を覚えて知っているだけではあまり意味がありません。やはり、「道具」は使ってみて、「コトバ」は使いこなせてはじめて意味をもつものです。
どんな道具にもその“しくみ”があるように、コトバにも“しくみ”があります。それが、文法です。この“しくみ(文法)”には、なんだかとてもナゾが多いようです。 なんで主語が三人称単数現在のときは動詞にsをつけるの? なんでIはamでYouはareなの? aとtheってそもそもなんなの?ひとつでよくない? 不規則活用ってなにものなの?なんですべて規則的にならないんだ?? なんで「わたしも」はI tooではなくme tooなの? mustとhave toは同じなの?どう使いわけるの? なんでenjoyのあとはingなの? couldは「できた」じゃない!? なんで仮定法は過去形なの? If I wereって、なんで I なのにwereなの? なんで?なんで?なんで?… このような“しくみ”にまつわるたくさんの「なんで?」を、ひたすら闇雲に覚えるだけだと、納得できていないのですぐに忘れてしまう。そして、忘れてしまうので文法を使いこなせるようにはならない。そして、文法が大嫌いになり、苦手になり、苦痛になる。
感覚で攻める英文法ゼミ(英ゼミ)では、“しくみ”のナゾ「なんで?」から逃げずに、そのワケを考え、探り、解き明かしていきます。“しくみ”はそのワケをより深く納得している方が、よりよく使いこなせていけると考えるからです。
そして、コトバは自然物ではなく、人間がつくり使いつづけてきたものだとみてみると、コトバには人間くささが漂っており、人間なら五感や体感を使って感覚的にわかる“なんとなく○○○な感じ”がひそんでいることがわかります。つまり、一見解けそうもないナゾ「なんで?」も感覚を使って考えてみると「なるほどそういうことか」とわかるものばかりです。コトバを使いこなしたいのなら、“しくみ(文法)”は覚えてはいけません!わかる・納得することが鍵となります。 そして、文法についての用語 (第○文型・現在形・過去形・進行形・完了形・助動詞・冠詞・前置詞・動名詞・不定詞・仮定法などなど) は、その“しくみ・はたらき”を名乗っていないので、考えてみてわかったことを基にして学習用語に新しく名前をつけなおしてみます。
英ゼミでは、このように ①「なんで?」をとことん考える ② 人間感覚・身体感覚をつかう ( 感覚で攻める ) が、コトバを使いこなせるようになる合理的な“近道”だと考えています。 |
(3)授業のキーワード | なんで? 感覚 わかる しくみ コトバ 英文法 グループワーク |
(4)授業計画 | Lecture 1. 文法を感覚で攻めるってなに?-コトバを探る面白み Lecture 2. 単語を感覚で攻める-カタチと音感と意味 (1) Lecture 3. 単語を感覚で攻める-カタチと音感と意味 (2) Lecture 4. リ・ネームについて-学習用語に新しく名前をつけなおす Lecture 5. 文型を感覚で攻める-順番のワケ (iconicity) Lecture 6. 動詞を感覚で攻める-動詞の運動 Lecture 7. 冠詞を感覚で攻める-触れるか触れないか Lecture 8. 冠詞を感覚で攻める-同じか違うか Lecture 9. 助動詞を感覚で攻める-キモチをつかむ・絵文字 Lecture 10. 助動詞を感覚で攻める-キモチの誤解 Lecture 11. 時制を感覚で攻める-時間を距離で喩えてつかむ・短い時間と長い時間 Lecture 12. 前置詞を感覚で攻める-モノと場所を観て描く Lecture 13. 動名詞・不定詞を感覚で攻める-2つの動きの時間 Lecture 14. 仮定法を感覚で攻める-せつなさの理由 Lecture 15. 使役を感覚で攻める-have, make, get, letのやらせ感 Lecture 16. コトバを使えるようになるために-まとめ・授業アンケート |
(5)成績評価の方法 | ゼミのねらい-コトバの「なんで?」を感覚を使い考え探り解き明かしていく-がどれだけできているかを評価します。
そのため、成績評価は、以下の判定材料にて総合的に評価します。 1. クイズ (グループでコトバのナゾについて解き明かす)…30ポイント 2. レクチャープレゼンテーション (グループでコトバのナゾを解き明かしレクチャー型のプレゼンテーションを披露する)…15ポイント 3. レポート (Mid-Term Report)…15ポイント 4. レポート (Final Report)…30ポイント 5. 参加度…10ポイント |
(6)成績評価の基準 | ゼミで解き学修したことと同レベルの問題が 60%以上解ければ「水準にある(可)」 70%以上解ければ「やや上にある(良)」 80%以上解ければ「かなり上にある(優)」 90%以上解ければ「卓越している(秀)」 とみなします。 |
(7)事前事後学習の内容 | ・これまで放置してきたナゾ「なんで?」を、もう一度、英ゼミでのアプローチを用いて攻めなおしてみる。 ・わたしからのクイズや「なんで?」をとことん仲間とわたしと考えつづける。 ・グループで行うレクチャープレゼンテーションの準備をする。
※この授業は90時間の学修を必要とする内容です。従って、60時間以上の時間外学習が必要となります。 |
(8)履修上の注意 | ・受講希望者がゼミ規定の定員を大幅に超えることが予想されます。初回オリエンテーション (2部制) にて抽選による受講者決定について説明をしますので、受講を希望する方は“必ず”初回オリエンテーションに参加し、英ゼミのねらいやアプローチを実感、理解してから、受講を決めてください。その理解を前提に、抽選を実施し、受講者を決定いたします(初回オリエンテーションに参加した方を対象に、抽選にて受講者を決める予定です)。
※ なお、初回オリエンテーションにあふれて希望しても参加できなかった方は、抽選日(4月13日木曜日)にeALPSにアクセスしてみてください。当日、参加できなかった方向けに、ゼミについての説明会のお知らせを掲示します。対面による初回オリエンテーションに参加できなかった方は、そちらに参加し、受講するかどうかを決めることをお勧めします。
・ゼミでは、文法のナゾ「なんで?」を私が解き明かし解説するのではなく、ゼミ生ひとりひとりが考え、時にゼミ生全員で考え探り解き明かしていきます。このように英ゼミは「受講者参加型」の形式を取ります。そのため、知的好奇心が旺盛で知的興奮に貪欲な受講生の参加を期待します。
・英語に興味はあるが文法がわからずどうも苦手だという人、文法を知っているだけでうまく使いこなせていないという人こそ、臆することなく受講してみてください。ゼミで扱う文法は馴染みのあるものばかりであっても、アプローチの仕方は、いわゆる暗記中心の英文法とはまったく異なるものです。きっと文法に対する苦手意識は克服できるでしょう。 |
(9)質問,相談への対応 | 不明な点や疑問があれば遠慮せずに尋ねてください。分からない点や不安を残したまま進むのはよくありません。質問や相談は、研究室(共通教育第1講義棟 南校舎3階)にて、または e-mail・電話にていつでもオープンに受け付けます。 およその目安として、「月曜 4:30~」「火曜 1:00~」「水曜 4:30~」「木曜 4:30~」「金曜 4:30~」はだいたい研究室にいます。
e-mail: k-ariji@shinshu-u.ac.jp phone: 0263-37-3053(研究室直通)または内線7213 |
(10)授業への出席 | 授業は全ての回に出席することを基本とします。 |
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 | 「学修の補充の対象とする事由」により出席できない場合は、学習の補充の指示をしますので共通教育窓口に申し出てください。 |
【教科書】 | 教科書は用いません。 ゼミにて配布する資料やスライド等が“教科書”となります。
ゼミでは資料の他、スライドや映画や映像などの視覚資料も積極的に活用します。なお、資料や映像、スライドなどはe-ALPSのコースページにも掲載します。 |
【参考書】 | It Might Be An Apple (りんごかもしれない) (ヨシタケ シンスケ) Thames & Hudson Ltd 1,819円 ISBN: 978-0500650486
えいごのもと 60単語で「イメージ力」を身につける (関谷 英里子 & Noritake) NHK出版 1,210円 ISBN: 978-4140351215
Michael Swan (2016) Practical English Usage (4th Revised). Oxford University Press 4,891円 ISBN: 978-0194202411
表現のための実践ロイヤル英文法 (綿貫 実 & マーク・ピーターセン) 旺文社 1,944円 ISBN: 978-4010312971
他にも参考になるものはゼミにて随時紹介していきます。 |
【添付ファイル】 |
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