(1)授業のねらい | 授業で得られる「学位授与の方針」要素
・【2020年度以降カリキュラム対象】的確に情報を収集し,理解し,発信する力
【授業の達成目標】
・生物学を題材に,情報を収集し,積極的に考え,論理的思考(科学的見方考え方)を理解し,まとめ,発表することができるようになる。
【授業のねらい】 新技術・手法を用い,近年生物学分野で得られた新知見と論理的思考(科学的見方考え方)を学ぶことで,科学リテラシーを身につけ,今後,直面する諸問題に対する判断力を培う。
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(2)授業の概要 | 近年の生物学では,分子,細胞,システム各レベル全てにおいて,新技術・手法を用い,急速に新知見が得られている。これらの基礎知識は,応用技術の創出にも役立つ。一方で,遺伝子工学・細胞工学の利用に伴う医学・農学的問題など,倫理的な判断が必要な問題も増加している。そのため,科学技術分野を専門としない学生も,生物学に関する基礎知識について知り,科学リテラシーを身につける(論理的思考を学び,今後,直面する諸問題に対する判断力を獲得する)ことが求められ,その修得を目指す演習を行う。 |
(3)授業のキーワード | 課題発見・解決, 論理的思考, グループワーク, 科学リテラシー, 科学教育, ICTの活用, バイオテクノロジー, 分子細胞生物学, 生命工学, 遺伝子工学, 合成生物学, 神経生理, 分子生物学, 細胞生物学,行動 |
(4)授業計画 | 第1回:ガイダンス(授業のねらいと概要説明)。科学そして生物学を学ぶ意義(普遍性と多様性)が文系にもある事の説明。演習で使用予定のgoogle classroom,Jamboard,Formsの説明(第1回は,非同期型オンライン動画(40分)と教室対面で前半40分,後半40分授業を行う。内容はすべて同じ。非同期型オンライン動画接続先など詳細はeALPSに記載するがSHINtubeかyoutubeに動画を掲載する予定)。 第2回:文系も身につけるべき科学リテラシーとは何か(第2回以降は,教室で対面授業の予定)。 第3回:科学研究はどのように進められているか。文系にも役立つ科学的な見方考え方(論理思考)とは何か。 第4回:科学研究理解の難しさ(難解な専門用語群,各分野の深化・専門化,数学の利用,積み重ねの知識・理解の必要性,英語の壁)。どのレベルまで理解し,どのレベルから先は,完全な理解を諦めるか。 第5回:先行研究や,面白い研究の探索(日本語及び英語文献検索,大学等研究室HP調べ)。 第6回:専門用語を排し,一見,小学生でも解けそうな問題を深く考えることで見えてくる科学的な見方・考え方。 第7回:偶然か必然か:統計的な検定の基礎的な原理(なぜ有意差があると判定して先に進めるのか)。 第8回: 原因と結果。相関関係と因果関係。地球温暖化等を例として。 第9回: 動物の行動の問題を深く考えることで見えてくる科学的な見方・考え方。 第10回:遺伝子工学の問題を深く考えることで見えてくる科学的な見方・考え方1 gene targetting (KOマウス) 第11回: 遺伝子工学の問題を深く考えることで見えてくる科学的な見方・考え方2 Gal4-UASシステム,GFP,,自殺タンパクの利用など 第12回:新型コロナウイルスについて科学的に調べ,理解する。PCR法の原理。 第13回:iPS細胞研究,応用,問題点(そもそも何故iPS細胞を作ろうとしたのか,その倫理的問題,どう応用しているか,クローンペット問題) 第14回:生命の誕生と進化の研究にみる仮説,合成生物学(人工生命作出)と倫理,遺伝子組換え生物利用と倫理 第15回:神経生物学(脳科学)の面白さ,高次脳機能の不思議,将来の解明を目指して。 終了前15分間は「授業アンケート」を実施する時間とする。 定期試験
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(5)成績評価の方法 | 成績評価の考え方は,次の通りである。 ・「論理的思考(科学的な見方考え方)が出来るようになった」かどうかを測る期末試験(70点) ・各回授業後,Google FormsもしくはeALPS上に掲載した演習問題(15回x2点=30点) ・得点率による評価基準は次のとおりとする。 90%以上 秀,89-80% 優,79-70% 良,69-60% 可,59%以下 不可。
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(6)成績評価の基準 | 授業で示した例題や事後学習で示した演習問題と同レベルの問題が解ければ「水準にある」,応用問題が解ければ「やや上にある」,やや難しい応用問題が解ければ「かなり上にある」,例題からは難しい応用問題が解ければ「卓越している」 |
(7)事前事後学習の内容 | 60時間以上の時間外学習が必要となります。 【事前学習の内容】 毎回,次回までに予習しておくべき内容をeALPSまたはGoogle classroom上資料で伝える。予習内容を発表してもらい,授業に入っていく。 【事後学習の内容】 毎回,今回の授業で学んだ内容の演習問題をeALPSまたはGoogle classroomに掲載する。次回授業までにeALPSまたはGoogle classroom上の提出場所に提出すること。次回の授業で答え合わせを行い,前回授業内容をふりかえる。
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(8)履修上の注意 | 授業ではノートパソコンまたはiPadPro等のタブレットを毎回使用するので必ず,持参すること(スマホでは操作的に難しく,不可とする)。 単位を取得するためには,授業に出席するだけではなく,予習復習などの授業時間外学修を行わなければならない。 初回(第1週目)授業は非同期型オンライン動画と対面授業と同じ内容を行う。都合の良い方を利用すること。接続先等詳細はeALPS上に記載する。体調等で対面授業欠席の場合は,必ず,非同期型オンライン動画を視聴し,シラバスを熟読し,エントリーすること。 第2回以後は,教室での対面授業を予定しているが,新型コロナ感染状況によってはオンラインzoom授業になる可能性もある。 ※ 新型コロナ等の感染症拡大等の状況によっては上記日程や実施方法に大幅な変更がありうる。 受講生の状況(授業での受け答えや,演習問題への解答状況の分析)により,シラバスに明記した授業内容について「難易度及びその進行度」を柔軟に変更せざる得ない場合があり得る。 教養系の演習形式の授業であるから,文系の学生のレベルを想定した授業を行う。従って,理系の学生が物足りないと感じる内容である可能性がある。理系学生はその点を十分理解して受講すること。
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(9)質問,相談への対応 | メールにて受け付ける。アドレスは,biology@shinshu-u.ac.jp |
【教科書】 | 特になし。資料をeALPSまたはGoogle classroom上に掲載する。 |
【参考書】 | 科学的な見方・考え方(2007年発行 濱田 嘉昭 著)放送大学教育振興会(絶版図書なので入手困難であり,購入する必要はない。その内容骨子を資料として一部eALPSまたはGoogle classroom上に掲載する)。 |
【添付ファイル】 |
なし |