(1)授業のねらい | 授業で得られる「学位授与の方針」要素
・【2019年度以前カリキュラム対象】みずからを他者や社会との関わりのなかで捉え、自己啓発に努めることができる【自己認識・自己啓発マインド】
・【2019年度以前カリキュラム対象】世界の多様な文化、思想、歴史、芸術に関する幅広い素養がある【多様な文化受容マインド】
・【2019年度以前カリキュラム対象】多様な情報を適切に取捨選択し、分析・活用できる【情報活用力】
【授業の達成目標】
・中国の文化と社会を知ることを通して、日本及び世界のことに対してより客観的にみることができるようになる。
・中国の文化、思想、歴史、芸術について理解を深めることができるようになる。
・情報を取捨選択して、適切な判断をすることができるようになる。
【授業のねらい】 ①中国の文化、社会に関する基礎知識を知ること。 ②文化大革命に関する学習を通して、「多数者の暴政」、「格差と平等」について考えること。 ③中国の経済改革に関する学習を通して、「効率と平等」、「民主と専制」について考えること。 ④中国の文化、社会に関する学習を通して、日本を含む諸国の文化、社会の特徴とその形成のプロセスを理解、解釈できること。
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(2)授業の概要 | 中国は一枚岩的な社会ではなく、多くの顔を持っています。本講義では、文化、政治、経済という3つのセクションに分け、中国を知るための基礎知識と方法論について勉強します。この学習を通して、特に①文化の形成、変容と伝播、②革命と改革について一緒に考えます。 中国の文化と社会を知ることによって、近くて遠い隣人に対する理解を深めると同時に、日本の文化と社会を改めて考えることを本授業の目的とします。
本授業は、文献購読以外に、ビデオなどの映像資料も利用する。授業中はグループワークなどを適宜に取り入れる予定である。
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(3)授業のキーワード | 中国、文化、政治、経済、格差、異文化、グループワーク |
(4)授業計画 | 第 1回:introduction ―中国の多様な顔
【文化編】
第 2回:食文化-「分餐制」から「共餐制」へ 第 3回:茶文化-①偶然から生まれた一片の葉っぱ 第 4回:茶文化-②中国から世界へ 第 5回:世界遺産(万里の長城)-「黄色文化」と「青色文化」
【政治編】
第6回:中国の政治体制①-国家の最高元首と統治機関 第7回:中国の政治体制②-民族・宗教・党 第8回:文化大革命①-文化大革命の前夜:東西冷戦と大躍進 第9回:文化大革命②-大躍進から文化大革命へ 第10回:文化大革命③-混乱から収束へ
【経済編】
第11回:文化大革命の終結と改革開放-米中、日中国交正常化 第12回:計画経済から市場経済へ(80年代)-白猫・黒猫論 第13回:社会主義市場経済の確立(90年代)-中国脅威論の台頭 第14回:中国民族の偉大なる復興?(21世紀~現在) -グローバルリーダーをめぐる競争
第15回:まとめ-どのように異文化研究を行うのか? 授業アンケート
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(5)成績評価の方法 | 1.基本点(毎回のコメント)4×14回=56点。 2.期末レポート:44点×1回=44点
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(6)成績評価の基準 | 【レポートの成績評価の基準】 ①問題の設定が適切であり、②その問題の背景を説明できており、③その問題にどのよな課題があるのかを指摘できており、④それらの課題に対して既存の学説が提示する解決法が適切に把握できており、⑤その上で自分の見解を提示できており、かつ、教員を感心させるレベルにあれば、「卓越している」。①~⑤の5項目を満たしていれば「かなり上にある」。4項目までできていれば「やや上にある」。3項目までできていれば「水準にある」。
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(7)事前事後学習の内容 | 指定の教科書はないものの、 授業中に文献を多数取り扱うので、必ず目を通すことが必要である。
※この授業は90時間の学修を必要とする内容です。従って,60時間以上の時間外学習が必要となります。 |
(8)履修上の注意 | ・本授業はE-learningの方式をとる。毎週の授業はその週の日曜日の20:00までに視聴し、かつ振り返りを提出することを以て履修とする。 ・本授業は授業外で関連文献の閲読を要求されている。 ・履修者、授業の理解度に応じて、シラバスの微調整があり得る。
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(9)質問,相談への対応 | ・授業時間中と授業後は随時対応。 ・授業時間外はオフィスアワーを設定して対応する。メールでのやり取りも可能である。 limin@shinshu-u.ac.jp
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【教科書】 | なし。授業の時に、次回の授業の内容に関する必読文献を知らせる。適宜にプリントを配布する。 |
【参考書】 | 講義中、随時紹介する。
1.フェリペ・フェルナンデス=アルメスト(著)小田切 勝子(翻訳)『食べる人類誌』早川書房 ,2010年。1080円 2.マーヴィン ハリス (著), Marvin Harris (原著), 板橋 作美 (翻訳)『食と文化の謎』岩波書店,2001年,1253円 3.角山 栄『茶の世界史-緑茶の文化と紅茶の社会』中央公論新社,2017年。 4.旦部幸博『珈琲の世界史』講談社,2017年。 5.ニーアル・ファーガソン(2012) 『文明: 西洋が覇権をとれた6つの真因』 勁草書房。 6.宮崎 正勝 (2015)『「空間」から読み解く世界史: 馬・航海・資本・電子』新潮社。 7.ジャレド・ダイアモンド(2012)「銃・病原菌・鉄― 1万3000年にわたる人類史の謎」草思社。 8.蘇 暁康、 王 魯湘(著)、 辻 康吾 橋本 南都子 (翻訳)『河殤―中華文明の悲壮な衰退と困難な再建』、弘文堂、1989年。 9.小熊英二(1995)『単一民族神話の起源―<日本人>自画像の系譜』新曜社。 10.岡本雅享(2014)『民族の創出―まつろわぬ人々、隠された多様性』岩波書店。 11.坂井 豊貴(2015)『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』岩波新書。 12.ギュスターヴ・ル・ボン (著), 桜井 成夫 (翻訳)(1993)『群衆心理』 講談社学術文庫。 13.アレクシス・ド トクヴィル (著), Alexis de Tocqueville (原著), 小山 勉 (翻訳)『旧体制と大革命 』ちくま学芸文庫。 14.ジョージ・オーウェル (著), 高橋和久 (翻訳)(2009)『一九八四年』 (ハヤカワepi文庫)。 15.小林 信介(2015)『人びとはなぜ満州へ渡ったのか―長野県の社会運動と移民』世界思想社。 16.小熊 英二(2016)『生きて帰ってきた男―ある日本兵の戦争と戦後』岩波新書。 17.野口悠紀雄(2010)『1940年体制 ―さらば戦時経済』東洋経済新報社。 18.厳 安生(1991)『 日本留学精神史―近代中国知識人の軌跡』岩波書店。 19.レナード・ショッパ(2007)『「最後の社会主義国」日本の苦闘』毎日新聞社 20.劉慈欣 (2019)『三体』早川書房 (2020)『三体Ⅱ 黒暗森林』早川書房 (2021)『三体Ⅲ 死神永生』早川書房
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【添付ファイル】 |
なし |