シラバス表示
        
開講年度 2021年度 登録コード T0053320
授業名 応用数学Ⅲ(水土)(16T以降)
Mathematics for Engineering 3
担当教員 前田 善文 副担当 大野 博道
講義期間 前期 曜日・時限 木3 講義室   単位数 2
対象学生   授業形態 講義 備考  
授業で学べる「テーマ」 その他
授業で扱う「志向」(本学で重点的に育成するマインド) その他
全学横断特別教育プログラム
注意)「曜日・時限」「講義室」等は変更される場合がありますので、「キャンパス情報システム」や「掲示」等で確認してください。

(1)授業のねらい【授業で得られる「学位授与の方針」要素】
・【~15T】科学に関する基礎および専門的な基礎知識をもち、これらの基礎概念と一般的法則を本質的に理解するとともに、基礎科学および専門基礎に関する問題を解答する能力がある
・【~15T】基礎理論に基づいて工学的な観点から問題点や課題を発見することができ、筋道を立てて解決できる
【授業の達成目標】
・ベクトル解析の基礎と複素関数論を学び,それらを用いて問題を解く能力を身につけることができる.
・ベクトル解析や複素関数論が研究されてきた理由や背景について正しく理解し,論理的に問題を解決する能力を身につけることができる.
【授業のねらい】
 ベクトル解析と複素関数論は電気磁気学, 力学, 流体力学などが扱うさまざまな工学現象を記述する基本言語であり,工学部で学ぶ専門科目のうちで最も重要な数学の分野の1つである.この講義では工学の専門科目を理解するための基本言語であるベクトル解析と複素関数論の基本事項を習得することを目標にする.

(2)授業の概要 この講義は応用数学Ⅱに引き続くものである.講義は2つの部分からなっている.第1部の初めでベクトル解析の前半部分を復習し,種々の応用を持つベクトル解析の本論が理解できるようにならねばならない.第1部を学び終える頃には,ベクトル解析学が,電気磁気学,流体力学等の物理的側面を数学の基本言語で定式化したものであるという事実がわかる様になる.第2の部分では,これまた工学現象と深く関わり合いをもつ複素関数の理論を学ぶ.この第2部では,初めに複素数の四則演算,絶対値,偏角,累乗根等が自由に計算できるようになり,引き続き複素数の三角関数,対数関数等を学び,複素関数の微分積分が出来るようになるのが目標である.
(3)授業計画第1回 曲線,曲面の定義と公式及び勾配,発散,回転の公式,方向微分について
第2回 発散と回転の意味,曲線(曲率),加速度の成分,定常場の流線・流跡線・流脈線について
第3回 スカラー場,ベクトル場の線積分の定義と公式及び様々な線積分の公式,保存ベクトル場について
第4回 スカラー場,ベクトル場の面積分(スカラー面積素,ベクトル面積素)の定義と公式及びグリーンの定理について
第5回 ガウスの発散定理の証明,立体角及び流体の速度ベクトル場による面積分と発散定理の意味,発散定理の応用として浮力の原理の証明など
第6回 ストークスの定理の証明の概略及び電磁気学の応用例としてビオ・サバールの法則とアンペアの法則について
第7回 複素数の基礎知識,極表示とオイラーの公式,複素数のn乗根,初等関数(指数,対数,三角関数)について
第8回 コーシー・リーマンの関係式,正則性から派生する重要な定理,初等関数と微分公式,調和関数について
第9回 複素積分の定義と基本公式,積分の絶対値の評価,単連結領域における不定積分(原始関数の存在)
第10回 コーシーの積分定理とその応用,コーシーの積分公式
第11回 コーシーの積分公式,導関数の積分公式,リウビルの定理と代数学の基本定理
第12回  数列と級数,収束半径,テイラー級数とテイラー展開について
第13回 孤立特異点とk 位の極,k位の零点,一致の定理,ローラン展開の周回積分,留数について
第14回 留数定理とその応用,積分計算,実績分への複素積分の応用1
第15回 実績分への複素積分の応用2,3,授業アンケートに回答(15分)
第16回 期末試験
(4)成績評価の方法 成績は,期末試験のほか,授業への出席状況,レポート問題への取り組みの様子,授業中の応答等について点数を加算し総合的に評価します.期末試験(80%),授業への出席状況(5%),レポート問題への取り組み(15%)とし,合計100点満点で60点以上の成績を得た者について単位を認定します.
 出欠は「出席確認システム」を使用します.出席時間が授業の開始時間から20分以上経過している場合は,欠席扱いとします.出席要件(欠席回数が5回以内)を満たさない者に対しては単位を認定しないことに注意すること.

(5)成績評価の基準 授業中に解説した例題と同程度のレベルの問題が解ければ「水準にある(可)」,教科書の章末問題が解ければ「やや上にある(良)」,やや難しい応用問題が解ければ「かなり上にある(優)」,難しい応用問題や発展問題が解ければ「卓越している(秀)」と定めます.
(6)事前事後学習の内容 指定した教科書を使い,授業計画欄に記載した授業内容を毎回の授業の前後に予習・復習することが強く求められます.予習・復習時間の目安は,毎回の授業あたり予習が1時間,復習が3時間です.毎回レポートを課します.定められた期限内に必ず提出すること.
(7)履修上の注意 mp4による動画でのオンデマンド授業である.
数式を理解するために途中動画を止めて,考えながら視聴すること.
予備知識:1年次に履修する微分積分学と線形代数学,応用数学Ⅰ・Ⅱ
(8)質問,相談への対応質問の受付は電子メールで行います.
電子メールによる解答,解説を行います.

(9)その他 
【教科書】  応用解析の基礎(大野・加藤・河邊・鈴木)培風館(2900円+税)
【参考書】  新応用数学(佐藤,高遠,西垣,濱口,前田,向山)大日本図書(1980円税込)
【添付ファイル】 なし



戻る