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開講年度 2021年度 登録コード G2B60135
授業名 熱帯雨林と社会
Tropical Rain Forests and Society
担当教員 金澤 謙太郎 副担当  
講義期間 前期 曜日・時限 火3 講義室 共通教育20講義室 単位数 2
対象学生 授業形態 講義 備考  
授業で学べる「テーマ」 環境共生、多文化協働
授業で扱う「志向」(本学で重点的に育成するマインド) グローバル、環境
全学横断特別教育プログラム ローカル・イノベーター養成コース、グローバルコア人材養成コース ・ BASIC(国際理解)
注意)「曜日・時限」「講義室」等は変更される場合がありますので、「キャンパス情報システム」や「掲示」等で確認してください。

(1)授業のねらい授業で得られる「学位授与の方針」要素
・【2020年度以降カリキュラム対象】学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力
・【2020年度以降カリキュラム対象】的確に情報を収集し,理解し,発信する力
・【2020年度以降カリキュラム対象】持続可能な社会を実現するための課題に取り組む力
【授業の達成目標】
・熱帯雨林で暮らす狩猟採集民の生活や生業の様式を説明することができる。
・東南アジアの熱帯雨林と自分自身の生活とのつながりを具体的に述べることができる。
・熱帯雨林やそこで暮らす人びとをできるだけ傷つけない試みや実践と関わっていく糸口を示すことができる。
【授業のねらい】
 日本人は、今や自分の身体を支える物質的条件を国際的な関係に依存しています。しかし、私たちの関心や理解はモノの移動の大きさに比べて、十分な広がりをもちえているでしょうか。"Think Globally, Act Locally"という標語がありますが、グローバルにいったい何を考え、ローカルにいったい何をしたらいいのでしょうか。
 本講では、現地からのフィールド報告を交え、そうした問いについて具体的に考えることをねらいとします。

(2)授業の概要 熱帯産のさまざまなモノを切り口として、熱帯雨林の自然と人間の暮らしについて理解を深めます。主な事例を東マレーシア、サラワク州(ボルネオ島)のバラム河流域からとり上げます。授業計画の前半では、サゴヤシ、陸稲、沈香などの生態資源を例に、熱帯雨林に暮らす狩猟採集民の生活や生業の様式を概観し、彼らの食糧の確保、資源やエネルギーの利用にみられる諸特徴を理解します。後半は、木材、パーム油、バナナ、エビ、コーヒーなどの一次産品を例に、社会経済的なグローバル化をめぐる問題群について考えます。
 この講義を通じて、東南アジアの熱帯雨林と私たちとの関係や両者が抱える現代的課題を追究しながら、他人や地球をできるだけ傷つけない社会への手がかりや可能性を探っていきます。
 この授業は2019年度から開設された全学横断特別教育プログラム「環境マインド実践人材養成コース」のコア科目です。そのため、同コースへの登録希望者の受講を優先する場合があります。
(3)授業のキーワード地球環境問題、熱帯雨林、生物多様性、狩猟採集民、農耕民、文化多様性、人権、SDGs、環境マインド
(4)授業計画 主として講義形式で行い、適宜スライドやビデオなどを使用します。
1. イントロダクション
2. 熱帯雨林の生物多様性
3. 熱帯雨林の生活
4. サゴデンプン
5. 沈香(1)
6. 沈香(2)
7. 陸稲
8. 木材
9. コーヒー、ゴム
10.パーム油(1)
11. パーム油(2)
12.バナナ
13.エビ
14. 景観、遺伝子資源
15.まとめ:生物と文化の多様性保全,授業アンケート
16.期末試験
(5)成績評価の方法 授業時間内の小レポート(50%)及び期末試験(50%)で評価します。
(6)成績評価の基準 試験は小論文形式とします。(ⅰ)授業の内容を正確に理解し、(ⅱ)論理的に文章が構成され、(ⅲ)オリジナルの見解を含み、(ⅳ)自分のことばで適切に表現でき、(ⅴ)教員を感心させるレベルにあるかという観点から評価します。(ⅰ)から(ⅴ)の5項目を満たせば「卓越している」、4項目を満たせば「かなり上にある」、3項目であれば「やや上にある」、2項目であれば「水準にある」とします。
(7)事前事後学習の内容 モノが本来どこから来てどこへ行くのかについて想像し、観察することを心がけてください。また、毎回配布する資料や下記の参考書等を事前事後学習に活用してください。適宜、宿題も出します。

※この授業は90時間の学修を必要とする内容です。従って,60時間以上の時間外学習が必要となります。
(8)履修上の注意 受講希望者が超過した場合、履修抽選システムにより抽選を行うことがあります。なお、この授業は2019年度から開設された全学横断特別教育プログラム「環境マインド実践人材養成コース」のコア科目です。そのため、同コースへの登録希望者の受講を優先する場合があります。
(9)質問,相談への対応 授業時間後に質問や相談に応じます。また、研究室を直接訪ねてもらって構いません。研究室は全学教育機構第一講義棟の北校舎4階です。オフィスアワーは水曜の昼休み(12:10~13:00)です。
【教科書】なし
【参考書】・金沢謙太郎『熱帯雨林のポリティカル・エコロジー』昭和堂
・池谷和信編『狩猟採集民からみた環境史』東京大学出版会
・宇沢弘文・関良基編『社会的共通資本としての森』東京大学出版会
・岩崎駿介『一語一絵 地球を生きる〔上巻〕〔下巻〕』明石書店
・田中優・樫田秀樹・マエキタミヤコ『世界から貧しさをなくす30の方法』合同出版
・鶴見良行『バナナと日本人』岩波新書
・村井吉敬『エビと日本人Ⅰ・Ⅱ』岩波新書
・ブルーノ・マンサー『熱帯雨林からの声』野草社 
・渡辺弘之『東南アジア林産物20の謎』築地書館
・池谷和信編『熱帯アジアの森の民:資源利用の環境人類学』
・信田敏宏編『東南アジア・南アジア 開発の人類学』明石書店
・ルーカス・シュトラウマン『熱帯雨林コネクション』緑風出版
・中沢新一『熊から王へ』講談社選書メチエ
・藤田弘夫『都市の論理:権力はなぜ都市を必要とするか』中公新書
・見田宗介『現代社会の理論:情報化・消費化社会の現在と未来』岩波新書
・ヴァンダナ・シヴァ『生物多様性の危機:精神のモノカルチャー』

【添付ファイル】 なし



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