シラバス表示
        
開講年度 2021年度 登録コード G2B50702
授業名 検索の科学
Science of Search and Discovery
担当教員 鈴木 治郎 副担当  
講義期間 後期 曜日・時限 月3 講義室 共通教育43講義室 単位数 2
対象学生 授業形態 講義 備考 【地域】
授業で学べる「テーマ」 キャリア
授業で扱う「志向」(本学で重点的に育成するマインド) グローバル
全学横断特別教育プログラム グローバルコア人材養成コース ・ BASIC(国際理解)
注意)「曜日・時限」「講義室」等は変更される場合がありますので、「キャンパス情報システム」や「掲示」等で確認してください。

(1)授業のねらい授業で得られる「学位授与の方針」要素
・【2020年度以降カリキュラム対象】的確に情報を収集し,理解し,発信する力
・【2020年度以降カリキュラム対象】持続可能な社会を実現するための課題に取り組む力
【授業の達成目標】
・検索技術を通じて適切な情報を得られるようになる
・検索技術を通じて情報の真偽を確かめられるようになる
【授業のねらい】
ドラえもんの道具でみなさんが一番欲しいものは何ですか? 私はポケットと合わせて取り出すための手も欲しいです.今日のインターネットは情報の宝庫としていわばドラえもんのポケットのような役割をしてくれます.しかしドラえもんのポケットからはその手の働きがなければ欲しい情報を取り出すことはできません.
 授業ではGoogleのサービスを中心とした検索の働きの理解を深めることを通じて自分自身の「ドラえもんの手」を育てることを目指します.そのために検索技術の背景にある方法についてもいくつか学びます.それらの中には数量的指標に基づくものも含まれます.みなさん一人一人がそうした知識を検索利用に活かせるようになってください.
 また検索技術の進展は人工知能研究に裏打ちされています.人工知能の中には領域によっては「ドラえもんの手」に代わりうるものもありますし,そうでない領域もまだ多く残ります.授業では人工知能の与える私達社会へのインパクトについても随時触れて行きます.
(2)授業の概要検索サイトGoogleを実際に多角的に活用した事例の紹介を通じてインターネット上の検索技術の概要を把握します.その後に,検索の各技術の背景にある科学的側面の理解を進めていきます.単なる検索操作では終わらない,その背後にある統計学や情報科学の学習まで進めます.検索技術は現在進行中のものであり,また世の中で常用される技術を対象としていることを踏まえて,環境,教育,地域,ジェンダーの問題など,なるべくタイムリーな話題を扱いながら授業の展開を進めます.
 講義では授業計画にあげたような検索にまつわる多くの話題を扱います.講義上では暗記すべき知識の提供はありません.授業で提示した課題に関して各自が1週間ごとに調べてまとめた事柄をテストする目的で,毎回の課題提示が大学提供のeALPS上で行なわれます.課題への答えを見つける中でみなさん一人一人の課題探求能力を磨いてください.
 また検索行為は知識の発見とも密接に結びついているため,図書館その他で調べた発見に関する情報交換などの目的にはeALPS上の掲示板を活用します.各話題に関するテストの内容については,詳しくはeALPS上の説明を参照してください.
(3)授業のキーワード課題発見・解決,論理的思考,知的財産権,ジェンダー
(4)授業計画第1週授業で行うガイダンスの内容に関してはeALPS上に資料があります。eALPSの資料の確認のみで受講を決めても問題ありません。

以下の課題について,なるべくタイムリーな課題を扱いながら進めるため,各課題は順不同です.
・人工知能で無用になる仕事
・検索と発見の方法
・図書館と検索の関係
・検索サイトGoogleについて
・ブラウザの仕組み
・ウィキペディアの活用と知的財産権(著作権)
・データの検索方法概論
・データを処理する技術
・ことばを分類する技術
・統計の基礎
・テキストマイニング
・データマイニング
・コンピュータによる検索処理
・その他身近な検索にまつわる話題
(5)成績評価の方法毎回の授業に対する課題として,小テストおよび掲示板を通じた数百文字のレポートをeALPS上で実施し,これにもとづき評価します.授業で扱う課題の特長に応じて,いずれかの課題が課されないこともあります.また授業に相応しい良い質問をすることに加点します.
100点を満点と考えるとき,小テスト50点前後,レポート30点前後,良い質問20点前後の配分です.
(6)成績評価の基準小テストやレポートなどの多くで合格点をとれば「その水準にある」,課題のほとんどで合格点をとり,さらに課題の多くで上にある水準の得点をとれば「やや上にある」,課題のほとんどで上にある水準の得点をとれば「かなり上にある」,その上で,授業に相応しい良い質問を授業の最中にできれば「卓越している」.
期末試験は行いません.
(7)事前事後学習の内容毎回の授業においては,eALPS上に指示のある復習すべき内容をもとに小テストや掲示板等で課題が提供,そして実施されます.
復習すべき学習レベルの参考に,練習問題も提供されます.
検索が変えつつある私達の社会に関わる話題の中から,みなさんの日常に関係する話題を随時紹介して行きますので,興味をもっていろいろな記事を読むようにしてください.

※この授業は90時間の学修を必要とする内容です。従って,60時間以上の時間外学習が必要となります。
(8)履修上の注意第1週授業で行うガイダンスの内容に関してはeALPS上に資料があります。eALPSの資料の確認のみで受講を決めても問題ありません。

受講希望者が多い場合,学部バランスを考慮して,抽選により決定します.

予習は必要ありませんが復習は必須です.
練習問題の多くは授業後数日で表示されなくなります.小テスト等の受験前にすべき復習のための視点はeALPS上でも指摘してあります.
テスト等はいずれも授業を前提とした視点のもとでの回答を要請するものであり,小テストの出題に際しては授業の視点に関する解説は含みません.eALPS上の各課題については回答期限が定められているので学習のペースコントロールをしっかりとしてください.
(9)質問,相談への対応eALPS上の掲示板およびメール szkjiro@shinshu-u.ac.jp によります.履修取り消しなどの手続きは授業時の教室でのみ受け付けます。研究室を尋ねる際もメールによる事前連絡で時間調整をお願いします.
【教科書】指定しない
【参考書】日本経済新聞データエコノミー取材班『データの世紀』(日本経済新聞出版社)
森大二郎『検索エンジンはなぜ見つけるのか』(日経BP社)
ジョン・バッテル『ザ・サーチ グーグルが世界を変えた』(日経BP社)
ハラヴェ『ネット検索革命』(青土社)
スタイナー『アルゴリズムが世界を支配する』(角川書店)
岩本晃一『AIと日本の雇用』(日本経済新聞出版社)
新井紀子『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)
新井紀子他『日本を殺すのは,誰よ!』(東邦出版)
井上智洋『人工知能と経済の未来』(文春新書)
【添付ファイル】 なし



戻る