(1)授業のねらい | 授業で得られる「学位授与の方針」要素
・【2020年度以降カリキュラム対象】的確に情報を収集し,理解し,発信する力
【授業の達成目標】
・・適切な資料を、適切な方法で見つけ、確度の高い情報を得ることができる。 ・調査して集めた情報を適切にまとめ、それを踏まえて発展的に分析し、発信することができる。
【授業のねらい】 教養ゼミナールでは多くの事例的な研究を行い、学生が自分の知識や人生を社会との関係の中で位置付ける機会を提供し、討論やプレゼンテーション等も積極的に取り入れながら、物事の多面的な理解と深い洞察力を養うことを目的としている。 このゼミナールでは、学生がこれまで通った学校とそこでの経験を、「校歌」の歴史から読み直そうとするものである。個々の学校を、明治以降の国の成り立ちや世界史的な流れの中で理解してみよう。
|
(2)授業の概要 | 学生が学ぶのは、(年・地名・人名・出来事の暗記ではない)歴史解釈をめぐる理論的枠組みの習得である。そのために、個人が所属する集団への帰属意識を中心に据えて学校の機能をグループ討論やレポート課題を通して分析していく。 学生が身につけるスキルは、正確で信用できる資料を探すスキルである。実際に図書館での資料探索やデジタルアーカイブスの使い方など、信用できる資料を間違いなく探す練習を積み重ねていく。 レポートでは、学校を1つ選んで、校歌を中心に据えた学校史を作成する。収集した情報を基にした正確な分析を行うことが求められる。期末プロジェクトでは、各自のレポートでの成果をもとにして、新しく設立する学校が魅力的に映り、生徒の愛校心を育てる仕掛けをグループとして提案する。 学生が取り組む学習活動はすべてeポートフォリオにまとめる。達成したことを確認し、学びをふりかえりながら進めて行く。
|
(3)授業のキーワード | 大学での学習スキルと学習態度、生産的な人間関係の構築、 歌による国民形成
|
(4)授業計画 | 本ゼミは新規開講のため、授業内容や順番を変更することがあります。 第1回(9月28日)イントロダクション、シラバス 第2回(10月5日)ナショナリズムの勉強①言葉とリズムと歌 第3回(10月12日)皆をひとつに①儀式と歌/資料探索ワークショップ① 第4回(10月19日)皆をひとつに②校歌の話①/資料探索ワークショップ② 【研究室訪問開始】 第5回(10月26日)学校に求められた機能/ピアサポ@Libの紹介 第6回(11月 2日)レポート作成ワークショップ① 第7回(11月 9日)皆をひとつに③唱歌の話①【11月11日レポート提出】 第8回(11月16日)レポート作成ワークショップ②/レポート返却/書き直し開始 第9回(11月25日)資料探索ワークショップ③ 第10回(11月30日)皆をひとつに④唱歌の話②【書き直し提出】 第11回(12月 7日)レポート返却/グループ課題提示/グループメンバー発表 第12回(12月14日)学校への愛着①制服・校章・スクールカラー 第13回(12月21日)学校への愛着②自校教育の歴史 第14回( 1月11日)グループ課題の発表 第15回( 1月18日)学びのふりかえり、授業アンケート、閉講
|
(5)成績評価の方法 | 成績は学生自身の行動と努力の結果である。自分が望む成績になるように、自身の学習を観察して点検し、早い段階で修正するようにしなさい。
①必要な情報を収集する作業(適切な資料を探して情報を見つけるまでの一連の作業、信州大学や大学での学びに関する基本的知識の習得を含む)の完遂60点 ②その情報を適切に使ったレポート作成20点 ③上の①②を踏まえたグループ課題(情報の整理・応用とプレゼンテーション)の遂行20点
なお、6回の欠席で失格となる。30分以上の遅刻は欠席とみなす。30分以内の遅刻は、2回で欠席とみなす。 |
(6)成績評価の基準 | *90点…要求された課題に個人的にもグループでも生産的な形で取り組み、整合的であるだけでなくより深い洞察がなされ、それが正課物に創造的な形で表現されている。 *80点…要求された課題に自分なりにまたグループでも協力して取り組み、思考や分析が整合した形でまとめられて正課物に表れている。 *70点…要求された課題に取り組み、自分なりに取り組んだが、思考や分析には課題がある。 *60点…少なくとも要求された課題に最低限のレベルで取り組み、最低限の水準で達成した。
|
(7)事前事後学習の内容 | レポートやグループ課題に取り組むにあたり、必要な情報を調べたり、情報の出典を確かめたりする作業や、分析に必要な文献を読んだりする学習も含んでいる。ゼミで指示するので、各自で計画的に取り組むこと。 |
(8)履修上の注意 | *ワークショップの回には必ずパソコンを持参すること。できれば、第2回以降は毎回持参するのが望ましい。 *高校で日本史や世界史を履修している必要はないが、大体の近代史(明治期~昭和期)の流れがぼんやりとわかっている状態で履修するのが望ましい。世界史や日本史の年表を適宜参照するなどして対応すること。 *細かく正確な情報を追求したり、知識の量を増やしたい歴史愛好家には、本ゼミナールは向かない。反対に、歴史を学ぶ意義を再考したり自身の学校経験を大局的に捉えたりといった、知的冒険をしてみたい学生には受講を勧める。
|
(9)質問,相談への対応 | オフィスアワーは開講後に提示する。 研究室は、全学教育機構4階南(加藤);3階南(仙石) 研究室を訪問する場合には、事前にメールで予約を取ること。 加藤:katoy@shinshu-u.ac.jp 仙石:sengoku@shinshu-u.ac.jp
|
【教科書】 | 使用しない。 |
【参考書】 | 信州大学新入生ハンドブック編集委員会編(2021)『信州大学 新入生ハンドブック2021』 信州大学全学教育機構 アンダーソン(2007)『定本 想像の共同体』書籍工房早山 井上ひさし(2018)『新版 國語元年』新潮文庫 渡辺裕(2016)『歌う国民』中公新書 佐藤慶治(2019)『翻訳唱歌と国民形成』九州大学出版会 須田珠生(2020)『校歌の誕生』人文書院 ホブズボーム(1991)『創られた伝統』紀伊國屋書店 『音楽家人名辞典』日外アソシエーツ 『学制百年史』および『学制百二十年史』 |
【添付ファイル】 |
なし |