(1)授業のねらい | 授業で得られる「学位授与の方針」要素
・【2020年度以降カリキュラム対象】学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力
【授業の達成目標】
・中世イギリスを主な対象としながら、社会的・文化的現象がどのように当時の歴史認識に影響を与えていたかを学ぶことで、歴史の中における自らの位置はどのようなものであるのかを説明できるようになる。
【授業のねらい】 中世のイギリスに住む人々がどのように自らの「歴史」と向き合ったかを知ることで、歴史とはなんであるのかを改めて考えるきっかけとする。
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(2)授業の概要 | 様々な民族・人種による征服の歴史で彩られた中世のイギリスでは「歴史」の再解釈が極めて重要な意味を持っていた。中世後期のイギリスで書かれたさまざまな物語をもとに、当時の人々がどのように過去の歴史を捉え、そしてそれを物語として再解釈していたかを学ぶ。古い時代に起きた出来事を主要なテーマとした物語群を歴史的な資料として位置付けながら、当時の人々が過去と現在をどのように理解し、それぞれの出来事を再解釈することで新たな歴史を再生産していたのかを検討する。 |
(3)授業のキーワード | ヨーロッパ中世史、英文学、仏文学 |
(4)授業計画 | 第1回:イントロダクション 第2回:トロイ伝説とヨーロッパ文化 第3回:「中英語ロマンス」という物語群について 第4回:アーサー王伝説(1):年代記における記述 第5回:アーサー王伝説(2): クレティアン・ド・トロワ 第6回:アーサー王伝説(3):『サー・ガウェイン卿と緑の騎士』 第7回:恋愛の歴史:宮廷風恋愛とは 第8回:十字軍ロマンス:『リチャード獅子心王』 第9回:シャルルマーニュ伝説(1):『ロランの歌』 第10回: シャルルマーニュ伝説(2):改宗する騎士の物語 第11回:ジョフリー・チョーサー(1):英語詩人の活躍 第12回:ジョフリー・チョーサー(2):『トロイラス』の物語 第13回:ジョフリー・チョーサー(3):ナショナリズムの高まり 第14回:中世イングランドとユダヤ:宗教とナショナリズム 第15回:中世イングランドとサラセン:中世の人種について・授業アンケート(15分)
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(5)成績評価の方法 | 毎回のコメントシートの内容と学期中の小テストの合計点を60%とし、期末評価課題40%とする。 |
(6)成績評価の基準 | 毎回のコメントシートおよび学期中に実施する小テストや課題の評価基準は、1. 講義内容を正確に理解しているか、2.関連する内容の資料を調べながら問題をより深く考察できているか、3.それらをふまえて自身の考察を提示できるか、とする。 講義内容を概ね把握した上で、その内容を踏まえた質問・発言ができれば、「合格水準にある」 講義内容を把握した上で、その内容を踏まえた質問・発言ができれば、「やや上にある」 講義内容を把握した上で、内容の深い理解に資する発言ができれば、「かなり上にある」 講義内容を把握した上で、批判的な考察ができるようになれば、「卓越している」 |
(7)事前事後学習の内容 | 各回の授業に先立って履修者には指定の作品の全体、あるいはその抜粋などの指定されたテクストを読んでくることを予習として課す。
※60時間以上の時間外学習が必要となります。 |
(8)履修上の注意 | ・不明点は質問するなど、意欲的に授業に参加すること。 ・授業に出席するだけではなく、予習や課題を必ず行うこと。 |
(9)質問,相談への対応 | 学生からの質問、相談への対応として、授業後のコメントシート、またはemail(jothaeho@shinshu-u.ac.jp)での質問に応じる。 |
【教科書】 | 指定しない。資料を毎回配布する。 |
【参考書】 | John Gillingham and Ralph A. Griffiths, Medieval Britain (Oxford UP, 2000) / Thorlac Turville-Petre, England the Nation: Language, Literature, and National Identity, 1290-1340 (Clarendon, 1996) / C. Tyerman, England and the Crusades, 1095-1588 (University of Chicago Press, 1988) / Rhiannon Purdie, Anglicizing Romance: Tail-Rhyme and Genre in Medieval English Literature (D.S.Brewer, 2008) / Rosalind Field, Phillips Hardman, and Michelle Sweeny, Christianity and Romance in Medieval England (D.S. Brwer, 2010) / ロバート・バートレット『ヨーロッパの形成』(法政大学出版局、2003) / ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』(NTT出版、1997) / J. ル=ゴフ『中世とは何か』(藤原書店、2005)/ 中世英国ロマンス研究会訳 『中世英国ロマンス集』(篠崎書林、1983年) / 中世英国ロマンス研究会訳 『中世英国ロマンス集第2集』(篠崎書林、1986年) |
【添付ファイル】 |
なし |