(1)授業のねらい | 人間は社会的存在であり、人との相互作用無しには生きていけない。人と人が関わるとき、必ずしも良好な関係が形成されるとは限らず、様々な行き違いや葛藤を体験することも多い。このような行き違いや葛藤は、対人関係においてだけではなく、社会的なレベルにおいても多く存在する。なぜ葛藤が生じ、どのようなメカニズムで拡大するのか、また葛藤解決のためには何が必要なのだろうか。このような問題に対して、社会心理学の知見を元に検討し、理解を深めることを目的とする。 講義を通して、「異質・多様なものを理解し、寛容かつ多元的に判断することができる 受容力」を育んで欲しい。 |
(2)授業の概要 | 対人レベルから集団レベルまで、様々なレベルでの葛藤について、社会心理学ではどのように捉えられ、どのような解決法が考案されているのか、事例や理論を紹介する。適宜、映像資料などを利用し、それを元に講義を行っていく。 |
(3)授業計画 | 第1回目は概要を説明するガイダンスとし、以下の項目について2~3週で講義していく。16週目は試験となる。 ・対人関係における交渉と意思決定 ・親密な他者との葛藤 ・組織の中での葛藤 ・社会的ジレンマとゲーム理論 ・集団と集団の葛藤、偏見、ステレオタイプ ・異文化間葛藤と文化心理学 |
(4)成績評価の方法 | 授業への出席状況(30%)、最終試験あるいはレポート(70%)により評価する。 |
(5)履修上の注意 | 本講義で取り上げられる内容は、受講生が日常的に体験するものが多い。講義内容について自らの問題として捉え、考えることが重要である。紹介される事例や理論と、自分の経験とを照らし合わせ、その共通点や相違点に気づき、そこから考えを深め、積極的に発言、議論してもらいたい。 |
(6)質問、相談への対応 | 火曜の昼休みをオフィスアワーとするが、それ以外にも、メールで連絡をしてもらえれば、個別に対応する。 |
【教科書】 | 特に指定しない |
【参考書】 | 藤原武弘 編著 (2007) 『人間関係のゲーミング・シミュレーション(北大路書房)』 2,600円 大渕憲一 編著 (1997) 『紛争解決の社会心理学(ナカニシヤ出版)』 4,800円 |
【添付ファイル】 |
なし |