(1)授業の達成目標 | 【授業で得られる「学位授与の方針」要素】 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 24Tカリ, 23Tカリ | 【22T~】共通教育による幅広い教養と,工学の専門分野における基礎学力が身についている。 | ⇔ | ベクトル解析の基礎と複素関数論を学び,標準的な問題を解くことができるようになります.また,発展的な内容を自主的に学ぶ能力を身に付けることができます. |
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(2)授業の概要 | この授業では,ベクトル解析の後半部分と複素関数論を取り扱います,まず,応用数学Ⅱで学んだベクトル解析の前半部分の知識に基づき,前半では,線積分や面積分,さらにはそれらの積分に関する積分公式として,ガウスの発散定理とストークスの定理を学びます.後半では,工学現象と深い関りをもつ複素関数の理論を学びます.ここでは,複素数の四則演算,絶対値,偏角,累乗根などを自由に計算できるようになります.さらに,複素数の三角関数,対数関数などを学び,複素関数の微積分が正しく計算できることがこの授業の目標です. |
(3)授業計画 | 第1回 線積分(ベクトル場の線積分,力と仕事,保存ベクトル場,スカラー場の線積分) 第2回 面積分(ベクトル場の面積分,流速,スカラー場の面積分) 第3回 積分定理1(平面におけるグリーンの定理) 第4回 積分定理2(ガウスの発散定理) 第5回 積分定理2(ストークスの定理) 第6回 複素数と複素平面(複素数の四則演算,極形式表示,絶対値,偏角,ド・モアブルの公式,共役複素数) 第7回 複素関数(極限,連続性,指数関数,三角関数,対数関数,べき関数,累乗根) 第8回 正則関数(内点,外点,境界点,開集合,閉集合,領域,微分係数,正則性,整関数),合成関数の微分法,コーシー・リーマンの関係式 第9回 複素積分(連続曲線,区分的に滑らか,弧長による積分,原始関数) 第10回 コーシーの積分定理(閉曲線,単一閉曲線,単連結,コーシーの積分公式) 第11回 複素関数の級数展開(テイラー展開,マクローリン展開,ローラン展開) 第12回 留数1(孤立特異点,除去可能な特異点,極,位数,真性特異点,零点,零点孤立の原理) 第13回 留数2(留数,留数の求め方,留数定理) 第14回 実積分への応用1(オイラーの公式を用いて表した式,実係数の有理式) 第15回 実積分への応用2(有理式と三角関数の積),授業アンケート 第16回 期末試験 |
(4)成績評価の方法 | 期末試験を行い,科目の基本的内容を理解したと認められる者(試験において60点以上の成績)に対して単位を認定します. ※出欠の確認は出席確認システムを利用します.ただし,出席確認システム上の出席時間が授業の開始時間から15分以上経過している場合は,欠席扱いとするので注意してください. |
(5)成績評価の基準 | 授業中に解説した例題と同じレベルの問題が解ければ「水準にある(可)」,教科書の章末問題が解ければ「やや上にある(良)」,やや難しい応用問題が解ければ「かなり上にある(優)」,難しい応用問題や発展問題が解ければ「卓越している(秀)」と定めます. |
(6)事前事後学習の内容 | 指定した教科書を使い,授業計画欄に記載した授業内容を毎回の授業の前後に予習・復習することが強く求められます.予習・復習時間の目安は,毎回の授業あたり予習が1時間,復習が2時間です. |
(7)履修上の注意 | 予備知識:1年次に履修する微分積分学Ⅰ・Ⅱ,線形代数学Ⅰ 教員からの一言:スポーツはルールを覚えたり,上達本を読んだだけでは上手にならないのと同じように,数学も定理や公式を暗記しただけでは決して内容が理解できるようにはなりません.授業を欠かさず受講し,多くの演習問題を自分で解くという地道な努力を続けることが,授業内容を確実に理解し,計算能力を高め,応用力を養う唯一の方法です.積極的に問題を解くことを必ず実行してください.不明な点はそのまま放置せずに質問することが大事です. |
(8)質問,相談への対応 | 質問は教室内または教員室で随時受け付けます.教員室はW2棟2階西区画内です.場所が分からない場合は,学務係で聞いてください.前もってメールで面談日時を予約をした方が確実です.電子メールでの質問も受け付けます.アドレスはjkawabe@shinshu-u.ac.jpです. |
(9)その他 | |
【教科書】 | 応用解析の基礎(大野・加藤・河邊・鈴木)培風館(2900円+税) |
【参考書】 | 特に指定しませんが,図書館や本屋さんで自分の学力に見合う参考書を探して,予習・復習する際に活用すれば,授業内容をより深く理解することができると思います. |
【添付ファイル】 |
なし |