(1)授業の達成目標 | 授業で得られる「学位授与の方針」要素 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 大学DP | 学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力 | ⇔ | 過去のノーベル賞研究の意義に思いをはせ、それが何を明らかにしたのか、われわれが生命のしくみを理解する際のフレームワークをどのように変えてきたのか、また、その研究がどのように継承され、現代の私たちの生命の理解の礎となっているか、さらに私たち自身の"からだのしくみ"がどのようなものかを理解できるようになる。 |
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(2)授業の概要 | 医学部・医学科教員が、その専門に応じてトピックスと関連ノーベル賞受賞研究を取り上げ、その研究がなぜ賞に値したのか、科学者たちが謎や課題をどのように解明・解決したのか、その後どのように展開し、現代の生命の理解、医療に繋がっているのか、について講義する。受賞をしなかった研究や研究者にも話題が及ぶこともある。この授業はノーベル賞の制度や科学史を学ぶものではなく、また、取り上げる分野も網羅的ではない。 |
(3)授業のキーワード | 免疫、薬と病気、感染症、がん、再生医療、脳神経、DNA、遺伝子、ゲノム、寿命、老化、遺伝子工学、血管、診断と治療 |
(4)授業計画 | 医学部医学科の教員が、その専門性に応じてオムニバス式に授業を進める。各回1つもしくは複数取り上げられるノーベル賞受賞研究について、その意義、その後の関連分野研究の展開、現代における到達点などを紹介する。各回のテーマと担当教員は以下の通り。
第1週(4/11)(森):体内時計(イントロを兼ねて) 第2週(4/18)(森):私たちはなぜビタミンを必要とするのか? 第3週(4/25)(沢村):ヒトは血管とともに老いる - コレステロールと血管機能から健康まで 第4週(5/9)(柴):iPS細胞の樹立と再生医療への応用 第5週(5/16)(森):PCRは何が”すごい”のか? 第6週(5/23)(森):ゲノムデータから見たヒトの特性 第7週(5/30)(田渕):シナプス伝達が脳機能を司る 第8週(6/6)(梅村):肝炎ウイルス:発見から撲滅へ 第9週(6/13)(田渕):神経成長因子の発見 第10週(6/20)(藤井):免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用 第11週(6/27)(古庄):美しいDNA二重らせん構造の発見をめぐる人間ドラマ 第12週(7/4)(藤永):医療で使われる放射線とその歴史 第13週(7/11)(川久保):ピロリ菌と胃癌 第14週(7/18)(瀧):血液型と臓器移植 - 自己と非自己の免疫学 第15週(7/25)(森):テロメアと老化、授業アンケート提出
各回授業の終了後に、その授業の理解を深めるために、小テストもしくはレポート作成を課す。回答期限は概ね講義日から1-2週間以内とする。十分な事前事後学習が必要である(以下参照)。 |
(5)成績評価の方法 | 事前に自ら調べたこと、各回の授業の内容の理解を確認するための小テストもしくは課題(簡単なオンラインレポートなど)(50%) 最終レポート試験(50%)
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(6)成績評価の基準 | 各回の小テスト/課題、最終レポートに基づき、授業で取り上げた研究の内容、意義、現代の到達点について理解し、説明ができるかどうかを、以下の基準で評価する。 複数の研究について最低限の説明ができる:60ー69点(水準にある) 複数の研究について十分な説明できる:70ー79点(やや上にある) 複数の研究について十分な説明ができ、そのうちのいくつかについては高いレベルで理解し、説明ができる:80ー89点(かなり上にある) ほとんどの研究について、高いレベルで理解し、説明ができる:90点以上(卓越している) 課題、最終レポートともに、誰かの作成した文章のコピーではなく、洗練されていなくても自分の言葉で、また自らの感想、考えを加えつつ記述されているかどうかを重視する。
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(7)事前事後学習の内容 | この授業は複数教員によるオムニバス講義のため、予習を行うことは難しいが、1回目の講義で、各回で取り上げる予定のノーベル賞(受賞者)のリストを提示するので、対象の回までに自らノーベル財団のホームページ(英語:https://nobelprize.com)などを参考に概略を調べて、授業に臨むこと。授業後には、課される小テストや課題について、 理解が不十分だった点に関して、自ら調べて確認をすること。 ※60時間以上の時間外学習が必要となる。
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(8)履修上の注意 | 高校で「生物基礎」を履修していることが望ましいが、受講に必須とはしない。その場合、事前・事後学習、質問によって補う努力が求められる。高校「生物」レベルは不要。ほとんどの授業は1回完結で進められるので、各回の授業機会に確実に理解を定着させることが重要である。 受講を希望する人は、必ず第1回目の講義に出席すること。 授業の出欠は、出席確認システムのみで行う。毎回、授業開始30分後までに出席確認システムによる出席手続きが取られない場合は欠席とする。なお、着席登録ができなかった場合は、授業終了後に担当教員に速やかに申し出ること。不正な出席登録があった場合は、単位を認定しない。
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(9)質問,相談への対応 | 授業全般に関する質問、相談はメールで受け付ける。アドレスは、 masamori@shinshu-u.ac.jp(森政之) 各回の授業内容に関する質問は、授業中、授業後に担当教員に尋ねること。
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(10)授業への出席 | 全ての回に出席することを基本とする。この授業の達成目標に到達するためには10回以上の出席が必要である。「信州大学における授業の出席に関する要項」第4に規定する「学修の補充の対象とする事由」で欠席した場合のみ、5回までは配慮する。ただし、「学修の補充の対象とする事由」に該当する場合であっても、5回を超えて欠席した場合は授業の達成目標に到達するまでの教育の質を担保することができないため、単位認定はできない。 |
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 | 「学修の補充の対象とする事由」により出席できない場合は、共通教育履修案内に掲載されている方法により補充を受けるための申請を行うこと。 |
【教科書】 | 指定しない。 |
【参考書】 | 指定しない。各回のトピックスに対してより深く知りたい受講生には、関連出版物等を紹介する場合がある。 |
【添付ファイル】 |
なし |