(1)授業の達成目標 | 授業で得られる「学位授与の方針」要素 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 大学DP | 学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力 | ⇔ | ・環境問題の社会的側面について具体的に述べることができる。
・環境問題に対する自分なりの考察や批判ができ、それを周りの人に説明することができる。
・環境問題の解決に向けたさまざまな試みや実践にかかわっていく糸口を示すことができる。 |
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(2)授業の概要 | ほとんどの環境問題は人間の社会的営みとかかわっています。今日にいたるまで、自然破壊や環境汚染によって被害や苦痛を受けてきた人びとは数知れません。また、多くの場合、環境問題の原因は社会的なものであり、問題解決のためには科学技術による対応のみならず社会全体の対応が求められているということができます。本講では、環境社会学の理論的思考や実践的研究方法を学んだ上で、環境問題に対する自分なりの考察や批判ができることを目標とします。 論点として、第一に環境問題の加害・被害構造、制度・組織の特性、第二に環境行動・運動の契機とその結果、集団行動の困難・障害について、世界中で起こっているさまざまな環境問題を例に考えていきます。また、環境社会学は、人間が作り出した環境問題の解決を志向する「行動する社会学」でもあります。受講生には、この講義を通じて、自らの生活実践への示唆についても積極的に学びとってくれることを期待します。本授業は男女共同参画に関する内容を含んでいます。 |
(3)授業のキーワード | 環境問題、環境運動、加害―被害構造、社会的ジレンマ、ポリティカル・エコロジー、環境正義、ジェンダー、環境共存、環境マインド |
(4)授業計画 | 1. イントロダクション 2. 公害の社会史 3. 環境問題の社会史 4. 調査方法論 5. 社会的ジレンマ論 6. 被害のメカニズム:水俣病の事例(20世紀) 7. 被害のメカニズム:水俣病の事例(21世紀) 8. 加害と被害の構造的不平等 9. 欧米の環境運動 10. アジアの環境運動 11. 日本の環境運動 12. ポリティカル・エコロジー論 13. 熱帯雨林のポリティカル・エコロジー 14. 環境というプラットフォーム 15. まとめ、授業アンケート |
(5)成績評価の方法 | 期末レポート(50%)及び授業時間内の小レポート(50%)で評価します。 |
(6)成績評価の基準 | レポートは小論文形式とします。(ⅰ)授業の内容を正確に理解し、(ⅱ)論理的に文章が構成され、(ⅲ)オリジナルの見解を含み、(ⅳ)自分のことばで適切に表現でき、(ⅴ)教員を感心させるレベルにあるかという観点から評価します。(ⅰ)から(ⅴ)の5項目を満たせば「卓越している」、4項目を満たせば「かなり上にある」、3項目であれば「やや上にある」、2項目であれば「水準にある」とします。 |
(7)事前事後学習の内容 | 環境問題に関する報道や記事には注意を払い、自分なりの問題意識をレポートに反映させてください。また、下記の参考書及び授業で紹介する文献等を事前事後学習に活用してください。 |
(8)履修上の注意 | 受講希望者が超過した場合、履修抽選システムにより抽選を行うことがあります。 |
(9)質問,相談への対応 | 授業時間後に質問や相談に応じます。また、研究室を直接訪ねてもらって構いません。研究室は共通教育第1講義棟の北校舎4階です。メールで日時を相談してください。アドレスは、kanazawa@(@以下は大学で付与されているものと同じ)です。 |
(10)授業への出席 | 全ての回に出席することを前提とします。 |
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 | 「学修の補充の対象とする事由」により授業に出席できない場合は、共通教育履修案内に掲載されている方法により学修の補充を受けるための申請を行ってください。 |
【教科書】 | 指定しない |
【参考書】 | ・環境社会学会編『環境社会学事典』丸善出版 ・飯島伸子『環境社会学のすすめ』丸善ライブラリー ・飯島伸子『環境問題の社会史』有斐閣アルマ ・石弘之『地球環境報告Ⅱ』岩波新書 ・佐藤郁哉『フィールドワーク』新曜社 ・戸田清『環境的公正を求めて』新曜社 ・井上孝夫『現代環境問題論』東信堂 ・ジョン・マコーミック『地球環境運動全史』岩波書店 ・鬼頭秀一『自然保護を問いなおす』ちくま新書 ・金沢謙太郎『熱帯雨林のポリティカル・エコロジー』昭和堂 ・宇沢弘文・関良基編『社会的共通資本としての森』東京大学出版会 ・藤川賢・友澤悠季編『講座シリーズ環境社会学第1巻』新泉社 |
【添付ファイル】 |
なし |