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     市民開放授業  
開講年度 2024年度 登録コード G2B60138
授業名 自然環境政策概論
Outline of natural environment policy
担当教員 坂本 真一 副担当  
講義期間 後期 曜日・時限 水2 講義室 共通教育20講義室 単位数 2
対象学生 授業形態 講義 遠隔授業科目 備考 2021年後期開講の自然環境行政概論の単位取得者は履修不可。
信大コンピテンシー [説明] 該当
授業で学べる「テーマ」 地域運営、環境共生、キャリア
全学横断特別教育プログラム ローカル・イノベーター養成コース、環境マインド実践人材養成コース
注意)「曜日・時限」「講義室」等は変更される場合がありますので、「キャンパス情報システム」や「掲示」等で確認してください。

(1)授業の達成目標
授業で得られる「学位授与の方針」要素【授業の達成目標】
大学DP
学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力自然環境に関する政策の背景や経緯を理解し、自らの言葉で発信できるようになる。
(2)授業の概要 本授業は講義形式で行います。
 この講義では、環境問題の中でも、『自然環境』を中心に、政策立案のプロセスや背景などについて取り上げていきます。そのためには、社会の成り立ちや仕組みを理解しなければなりません。また、環境問題はとても幅が広く、環境を取り巻く状況は日進月歩で変化しています。学ばなければならない範囲はとても広いもので、社会のさまざまな知見を融合した学際的な扱いが必要です。これまで開講する中で「自然環境の仕組みを学びたかったのに違った」という声をもらいましたが、自然そのものはほとんど扱いません。本講義では、『自然環境』の保全を目的に、そのための取り組みや手法、社会の仕組みについてであり、そのために必要な知見は他で学ぶ必要があります。なお『自然環境』を中心としていますが、政策実現の手法は、地球温暖化対策や循環型社会の形成とも密接不可分で、さらには政策立案全体に共通するスキームです。
 近年ではIT環境の深化により、多くの情報にアクセスすることが容易になりました。知識そのものよりも、いかに有益で必要な情報にアクセスできるか、それを目的のために使いこなすことができるかという力が求められています。授業では、『目的』である社会の背景やそのためのスキームの概要を中心に取り上げるとともに、どこにどんな情報があるのか、どう使うことができるのかという『きっかけ』を提供します。
 担当教員は、長年、環境省のレンジャーとして、自然環境行政の一線で活動してきました。その中から最も欠かせないのが、一人ひとりの「環境マインド」。そして、それを実現するための「手段」です。本講義は、共通教育特別横断プログラム「環境マインド実践人材養成コース」のコア科目に位置づけられています。
(3)授業のキーワード環境問題、行政組織、環境法、生物多様性、生態系サービス、気候変動、国立・国定公園、自然環境保全、自然再生、世界遺産、野生生物、種の保存、エコツーリズム、環境教育、持続可能な開発、自然とのふれあい、信州、環境マインド、実務経験
(4)授業計画主として講義形式で行います。扱うテーマやトピックは時事的内容により変更することがあります。
1.環境問題の歴史
2.環境行政の仕組み
3.自然環境の法律
4.生物多様性と4つの危機
5.生物多様性の政策
6.自然公園の仕組み
7.自然公園の管理
8.野生生物の保全管理
9. 野生生物行政の実際:ゲスト講義
10.科学の役割
11. 国際的な取り組み(世界遺産やユネスコパーク、ラムサール湿地)
12. 自然とのふれあい.
13.エコツーリズム
14.これからの生物多様性
15.政策評価・まとめ
16.期末試験


ゲスト講義は、実際にその業務にあたっている方からお話しいただく予定です。
 なお、授業の進行状況により順序及び内容を変更することがあります。
 また、授業における課題は、特に指定をしない限り6日後(翌週前日)の12:00締切とします。締切後はいかなる理由があっても受理しません。
(5)成績評価の方法授業では、学びを深めるために課外活動(小テストまたはレポート)を課します。また最後に期末試験を行います。

(1)毎回の授業における評価(小テストまたはレポート)           60%
  毎回、小テストまたは小レポートを課します。
  ◯小テスト:授業で取り上げた内容を踏まえ、さらに発展・応用した設問としています。
       小テストは指定回数(複数)まで何度でも受験できますが、得点は初回と最高点の平均点とします。
  ◯レポート:自らの体験や行動を踏まえて考えをまとめるようなレポートです。
概ね500字程度の分量を目安としています。

 小テストは回によって設問量や難易度は異なりますが、各回の評価のウェートは同じです。レポートも各回間のウェートは同じです。それぞれの評価を合計します。ただし、レポートは小テストよりもウェートを高くしているので注意してください。


(2)期末試験                               40%
 小論文形式とし、自然環境政策の基本を理解しているかを見ます。
 問題は事前(1週間前)に提示し、試験時間に記述する形式を取ります。

レポートと期末試験の評価のポイント
(ⅰ)課題の意図を正確に理解しているか。
(ⅱ)社会的な評価、動向を正しく踏まえているか。
(ⅲ)自らの経験や立場、考え方を踏まえ、自分事として捉えているか。

(3)授業中の発言、授業に関連した積極的な取り組みについては、10点を限度として加点することがあります。
(6)成績評価の基準期末時に毎回の課題と期末テストの合計点をもとに、授業の達成目標に対して5段階で判断を行います。

 90点以上:秀(基準から卓越している)
 80点以上:優(基準よりも、かなり上にある)
 70点以上:良(基準よりも、やや上にある)
 60点以上:可(基準を満たしている)
 59点以下:不可(基準を満たさない)

なお、ここでいう基準とは、自然環境保全に関する話題に接した際、基礎的なことを理解し、自ら調べて深めることができる力を指すものとします。
(7)事前事後学習の内容【予習】
 特段の指示をした回以外は、予習は求めません。しかし、日頃から環境問題に関心を持ち、講義のテーマに関連するTVニュースや新聞記事等に注意を払うとともに、日常生活の中でも関連することに興味を持つようにしてください。
 

【復習】
 授業では、個々の政策の概略を紹介するに留まっています。国や自治体が作成した政策パンフレットや動画を紹介するので、それらに目を通すとともに、関心を持ったことについては、積極的に調べる習慣をつけるようにしましょう。なお、課題に回答するためには、授業を手がかりに、自ら調べなければ正解にたどりつくことはできない問題が大半です。

【その他】
 自然環境政策は、身近なところでも展開されています。例えば、友人と訪れた公園やスキー場、温泉などでも様々な政策が導入されています。常に関わりを意識することが学びとなります。

※この授業は、復習を中心に90時間の学修を必要とする内容です。従って60時間以上の時間外学習が必要です。
(8)履修上の注意・本授業は、あくまでも自然環境政策に接するきっかけに過ぎません。この授業を通じて、自然環境保全に関する世の中の動きに関心を持つようにしてください。
・自然環境政策に限らず様々な政策は、所管官庁により広報資料や動画が公開されています。授業でも積極的に情報を提供しますが、自らも積極的にこれらの情報に接するようにしてください。
・この授業は、「自然環境政策」を取り上げていますが、社会の枠組みや考え方など、他の分野においても同様のスキームが成り立っています。また、近年は官民学が連携して取り組む事案が多いので、官の動き方を知ることは、民で活躍していく上でも参考になります。
・受講希望者が募集人数を超過した場合、抽選を行うことがあります。本講義は共通教育特別横断プログラムの一つである「環境マインド実践人材養成コース」のコア科目です。抽選に際して、環境コースの受講予定者を優先する場合があります。なお、2021年度後期「自然環境行政概論」を履修した人は、本講義を受講することは出来ません。
(9)質問,相談への対応授業中や授業時間後に質問や相談に応じます。また、メールで随時受け付けますので気軽に問い合わせしてください。メールアドレスは、saka_sin@(アットマーク以下は大学で付与されるメールアドレスと同じです)。
(10)授業への出席課題は、講義への出席を前提に課しています。課題自体は出席していれば容易に解ける内容ですが、講義を聞かずに解くことはなかなか難しいかもしれません。
(11)授業に出席できない場合の学修の補充「信州大学における授業の出席に関する要項」第4に規定する「学修の補充の対象とする事由」により出席できない場合は、共通教育履修案内に掲載されている方法により補充を受けるための申請をおこなってください。
【教科書】教科書は指定しません。(必要に応じて資料を配布します。)
【参考書】・最新年度の「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」 (環境省編集・発行)
・長野県環境白書(長野県環境部環境政策課 編集・発行)

このほか、必要に応じて授業の中で紹介します。
【添付ファイル】 なし



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