(1)授業の達成目標 | 授業で得られる「学位授与の方針」要素 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 大学DP | 的確に情報を収集し,理解し,発信する力 | ⇔ | ・大部の学術書を読み通す過程で関連情報を的確に収集し,理解した内容をグループワークを通じて共有できるようになる。
・進化の仕組みを理解することによって,様々な社会のあり方を考えることができるようになる。 |
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(2)授業の概要 | 「利己的な遺伝子」の該当する章を読んできたうえで,3から4名での議論を通じて,各自が重要と考える点を共有します。また,疑問点を解決することで,各章の内容の理解に努めます。グループ単位でのまとめをもとに,翌週,誤解等について検証,修正します。このようにして本書の主張を理解したうえで,利己的な遺伝子の立場から,身のまわりの様々なできごとを自分の言葉でレポートとしてまとめます。また,本書で例示されている個体間の相互作用を実際に再現することによって,ゲーム理論について実感する機会を設けます。 |
(3)授業のキーワード | 遺伝子 / 進化 / 動物行動学 / グループワーク |
(4)授業計画 | 教科書とする「利己的な遺伝子」は,第1章から第13章までに加え,各改訂版への序文,本書への書評の抜粋,および各改訂版への訳者の後書きからなります。原則として,第3週以降,毎週1章のペースで読み進めます。 まず,私が提示する確認事項について,メンバー間での理解を確認したうえで,各章の内容に応じたテーマについてグループワークを行い,その内容を各自でまとめます。 1. ガイダンス 2. イントロダクション 3. 人はなぜいるのか 4. 自己複製子 / 不滅のコイル 5. 遺伝子機械 6. 攻撃 -安定性と利己的機械 1 7. 攻撃 -安定性と利己的機械 2 8. 遺伝子道 9. 家族計画 10. 世代間の争い 11. 雄と雌の争い 12. ぼくの背中を掻いておくれ,お返しに背中を踏みつけてやろう 13. ミーム -新たな自己複製子 14. 気のいい奴が一番になる 15. 遺伝子の長い腕 / 授業アンケート |
(5)成績評価の方法 | (1) 各回のグループワークのまとめ:50点 (2) 最終レポート:50点 |
(6)成績評価の基準 | (1) 毎回,提示する確認事項やテーマに対する議論の内容をまとめた要旨を評価の対象とし,50点に換算します。 (2) 情報収集,構成,独自な視点の3点から50点満点で評価します。それぞれの要素の比はおおよそ,4 : 4 : 2 とします。 ・したがって,第2-15週の積み重ねとして,議論と考察に問題がなく,最終レポートの設題に対して要求されている点が満たされていれば「合格水準にある」となります。そのうえで,最終レポートで必要な情報を適切に構成できれば「やや上にある」となり,幅広い情報を独自の視点で構成できれば「かなり上にある」となり,さらに,発展的な独自の視点や論点を提示できれば「卓越している」と評価します。 ・期末試験は行いません。 |
(7)事前事後学習の内容 | ・予習として,毎回,該当する章を読み,重要点と疑問点を拾いあげ,整理しておくこと。 ・復習ではそれぞれの週で取り上げられ,解決しなかった点について,調べ,まとめておくこと。 ※この授業は90時間の学修を必要とする内容です。従って,60時間以上の時間外学習が必要となります。 |
(8)履修上の注意 | ・第2週はイントロダクションとして,基本的事項の確認等を行います。第3週目以降はグループワークを通じて,内容の理解に努めます。その際,受講生数および高校生物(あるいは,基礎科学科目 生物学 Aおよびそれに相当する専門科目)の理解度の状況によって,グループの編成や議論の方法は適宜,配慮します。 ・これまで,このような書籍を読んだ経験のない学生さんにとっては敷居が高く感じられるかも知れませんが,本書のような書籍を読み通すことは,大学生として必須の能力です。本書は2017年に「英国史上最も影響力のある科学書」第1位に選定されています。 ・世界レベルの教養を実感するという意味でも,チャレンジ精神を持って受講して下さい。 |
(9)質問,相談への対応 | 研究室(北校舎1階,東側)に来て頂ければ,適宜対応します。ドアに所在を示しており,不在の時はメールで連絡して下さい(ysoitoh@shinshu-u.ac.jp)。ただし,講義に関する問い合わせは私的なものではないので,大学から付与されているアドレス以外からのメールには,原則として対応しません。 オフィスアワー:特に設けませんので,事前にメール等で調整して下さい。 |
(10)授業への出席 | この講義では「信州大学における授業の出席に関する要項」第4に規定する「学修の補充の対象とする事由」で欠席した場合,上記(5)成績評価の方法(1)各回のグループワークに関し,講義回数の分母を調整する形で対応します。 その他の事由で欠席した場合には,上記の点で評定に反映されます。 |
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 | グループワークが中心の講義であり,メンバーに集まってもらうわけにもいかないので,補講は行いません。講義内容に関する資料は全てeALPSから入手可能としており,疑問点の解決のためのフォーラムも準備しています。 また,必要に応じて個別に対応します。 |
【教科書】 | リチャード・ドーキンス, 利己的な遺伝子, 40周年記念増補新装版,2018,紀伊國屋書店,978-4314011532 |
【参考書】 | リチャード・ドーキンス, 延長された表現型,1987年,紀伊國屋書店,978-4314004855 リチャード・ドーキンス, 盲目の時計職人,2004年,早川書房,978-4152085573 その他,著者の様々な著作 酒井聡樹 他,生き物の進化ゲーム 大改訂版,2012年,共立出版,978-4320057241
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【添付ファイル】 |
なし |