(1)授業の達成目標 | 授業で得られる「学位授与の方針」要素 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 大学DP | 学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力 | ⇔ | 比較文学的観点から文学・芸術を享受するための基礎学力と専門的学力を身に着ける。 |
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(2)授業の概要 | 今年は二つの恋愛小説を取り上げます。最初に谷崎潤一郎『春琴抄』を、その次に、18世紀フランスの作家アベ・プレヴォ―の『マノン・レスコー』を。どちらも文学史上に燦然と輝く恋愛小説の傑作です。この二作、いっけん何の関係もないようですが、ただ、一言でいえば、ともに「とんでもない女を愛してしまったダメ男の運命」を描いているという点で、一脈通じるところがないではありません。授業ではいろんな他の文学作品――さらに音楽や映画作品など――との関係にも目を配りながらこの二作を読解し、小説という言語芸術と恋愛との関わりについて考えます。様々な恋愛論(例えば、ジャン=リュック・ナンシーという現代の哲学者のそれ)も紹介することになるでしょう。なお、お断りしておきますが、この授業は恋愛に成功するためのknow-howを伝授しようとするものではありません。この授業の担当者にそれを求めるのは酷です。 学期中に小レポートを2本提出してもらいます。 |
(3)授業のキーワード | 比較文学 日本 フランス 恋愛小説 |
(4)授業計画 | 第1回 オリエンテーション 第2回 概説「比較文学とは?」 第3回 概説「恋愛と文学」 第4回 谷崎潤一郎:その作品と生涯 第5回 『春琴抄』読解(1):恋と鞭 第6回 『春琴抄』読解(2):恋と犯罪 第7回 『春琴抄』読解(3):恋と記憶 第8回 『春琴抄』読解(4):春琴とイギリスの恋 第9回 『春琴抄』読解(5):春琴とフランスの恋 第10回 アベ・プレヴォ―:その作品と生涯 第11回 『マノン・レスコー』読解(1):恋と死体 第12回 『マノン・レスコー』読解(2):改悛した娼婦 第13回 『マノン・レスコー』読解(3):オペラ化されたマノン 第14回 『マノン・レスコー』読解(4):映画化されたマノン 第15回 まとめと展望、授業アンケート |
(5)成績評価の方法 | 学期中に提出してもらう二本のレポート(50%+50%)で評価します。 |
(6)成績評価の基準 | 授業中に紹介する文献を幅広く参照した上で、比較文学的見地から作品の新解釈を明快かつ論理的に提示し、かつ、それが説得力を持てば「卓越している」。 授業中に紹介する文献を幅広く参照した上で、比較文学的見地から作品を丁寧に読解し、自分の考えを明快かつ論理的にまとめることができれば「かなり上にある」。 授業中に紹介する文献をそれなりに参照した上で、比較文学的見地から作品を丁寧に読解し、自分の考えを論理的にまとめることができれば「やや上にある」。 授業中に紹介する文献をそれなりに参照した上で、比較文学の基本姿勢を理解し、自分の考えを論理的にまとめることができれば「その水準にある」。
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(7)事前事後学習の内容 | 『春琴抄』と『マノン・レスコー』を読み込み、自分なりの意見を持って授業に臨むこと。 授業中、参考図書を多数紹介するので、積極的にそれを参照すること。 |
(8)履修上の注意 | 比較文学に関する予備知識は求めません。ただし、『春琴抄』と『マノン・レスコー』はじっくり読みこんだ上で授業に臨んでください。担当教員はその前提で講義をします。また、この二つの作品以外にもいろんな小説・評論(もちろん、授業中に紹介します)を読んでいただかないと、良いレポートを書くことは難しいでしょう。 レポートはE-Alps上に提出してもらいます。 出席は、出席確認システムでとります。ですのでくれぐれもスマートフォン等のQRコード読取り端末を忘れないように。(授業開始後30分以上経った遅刻は欠席と見做します。) こんなことをお断りしなければならないのは悲しいことですが、大学の授業中に私語はあり得ない、少なくとも信州大学ではあり得ないということを知っておいてください。 なお、この授業では、外国の文学作品を扱う場合は「原則として」日本語訳を用います。 |
(9)質問,相談への対応 | メールでランデ・ヴーをとること。yshibuya@shinshu-u.ac.jp
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(10)授業への出席 | 基本はすべての回に出席することです。 |
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 | 「学修の補充の対象とする事由」により出席できない場合は、共通教育履修案内に掲載されている方法により補充を受けるための申請をおこなってください。
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【教科書】 | 谷崎潤一郎『春琴抄』新潮文庫 アベ・プレヴォー『マノン・レスコー』新潮文庫
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【参考書】 | 指定しない。(教室で紹介します。) |
【添付ファイル】 |
なし |