(1)授業の達成目標 | 授業で得られる「学位授与の方針」要素 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 大学DP | 学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力 | ⇔ | ・代表的な倫理学の問題と真剣に向き合うことを通じて、常識的思考が陥りがちな硬直状態を抜け出し、虚心にことの真相を突きとめようとする視点・態度を獲得する。
・代表的な哲学の問題を批判的に検討することを通じて、他者の受け売りではない自分独自の思考を練り上げることができるようになる。 |
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(2)授業の概要 | いまからちょうど30年後、つまり、「2054年の世界」のことを考えてみてください。この国は/そしてこの星は、人々が希望を失うことなく毎日を暮らしていける場所であり続けることができているでしょうか。 しばしば指摘される通り、ひょっとすると、「これから30年」のこの国は、困難な《下り坂》の時代を迎えることになるのかもしれません。しかし、では、その困難な《下り坂》の時代に対応していくことのできる「知的パワー」を備えた人間になるためには、大学生のうちにどのような素養を習得しておく必要があるのでしょうか。 「Philosophy to the People/人々の手に哲学を」。日本を代表する哲学者、鷲田清一氏のフレーズを手かがりに、上記の問いに対するわたしなりの回答を与えてみることがこの授業の目標です。 |
(3)授業のキーワード | 哲学、倫理学、コミュニケーション、論理的思考。 |
(4)授業計画 | 第1回:イントロダクション 第2回:生の苦しみについて 第3回:倫理学を学ぶことの意味について 第4回:主体的に生きるということ 第5回:疑い、悩むということ 第6回:生きることの「意味」について 第7回:近代の倫理 第8回:生きている理由/死なずにいる理由 第9回:「自発的思考」について 第10回:真実を語る 第11回:おしまいの人間たち 第12回:ふたたび「自分で考える」ことについて 第13回:「生き方」について倫理学は何が言えるか? 第14回:ソクラテスについて 第15回: まとめと展望/授業アンケート |
(5)成績評価の方法 | 中間レポートと最終レポートで評価する。(比率は各々50パーセントずつである。) |
(6)成績評価の基準 | 教員の提示するレポート課題に対し、(i)適切なまとめと建設的かつ説得的な論点が記述できていれば「卓越している」。(ii)適切なまとめと説得的な論点が記述できていれば「かなり上にある」。(iii)整合的なまとめと充分に妥当な論点が記述できていれば「やや上にある」。(iv)瑕疵のないまとめと妥当性の認められる論点が記述されていれば「水準にある」。 |
(7)事前事後学習の内容 | テキストを熟読し、教員から提出される「問い」について「自分自身の言葉で考える」練習を行う。また、授業中に扱われた重要な問題について、仲間たちと積極的に議論する。
※この授業は90時間の学修を必要とする内容です。従って、60時間以上の時間外学習が必要となります。 |
(8)履修上の注意 | 講義科目であるが、指定されたテキストを授業外の時間においてもみずから繰り返し読み、考える、という態度が受講者には要求される。 |
(9)質問,相談への対応 | 火曜日の12時15分から13時15分までをオフィスアワーとする。研究室の場所は、人文学部棟5階である。 |
(10)授業への出席 | 受講生はすべての授業に出席し、全体への討論にも積極的に参加することが期待される。 |
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 | 「学修の補充の対象とする事由」により出席できない場合は、共通教育履修案内に掲載されている方法により補充を受けるための申請を行なってください。 |
【教科書】 | 三谷尚澄,『哲学しててもいいですか』,ナカニシヤ出版,2017年,2200円. 三谷尚澄,『若者のための〈死〉の倫理学』,ナカニシヤ出版,2013年,2400円. |
【参考書】 | 授業中に指示する。 |
【添付ファイル】 |
なし |