(1)授業の達成目標 | 授業で得られる「学位授与の方針」要素 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 大学DP | 学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力 | ⇔ | ・専門的に経済学を学ぶうえで基礎となる経済史・経済学説史の初歩的知識を得る。
・専門によらず、今日の経済社会を生きるうえで役立つ経済の歴史・先人の学説についての教養を得る。
・経済学における基礎学力と専門的学力を得る。 |
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(2)授業の概要 | 【授業のねらい】 大学新入生の皆さんを主な対象にした基礎的な授業です(2年以上も登録可能)。 世界経済の現状を把握するため、世界経済の歴史的な歩みを知り、経済の動きを見すえるための理論的方法を理解することがこの講義のねらいです。 われわれの生きる資本主義経済は、16世紀以降ヨーロッパの一角から拡大を始め、今日「世界経済」として全世界を覆うに至っている歴史的な運動体です。この世界経済の現状を理解し分析するためには、①それがどのように生成し発展してきたのかを見る歴史的観点と、②それがどのようなメカニズムを介して日々動いているのかを知る理論的観点という2つの視点が必要となります。この講義では、世界経済を理解するために必要な基本的な歴史的知識と経済学的な対象認識の方法を学び、世界経済の現状について初歩的な理解を得ることができるようになることを目的とします。
【授業の内容】 主に世界経済の歴史的発展とそれに対する先人の認識である諸々の経済学説を概観します。 大きな枠組みとしては、全体を、Ⅰ.資本主義経済の発展と経済学の変遷、Ⅱ.世界経済の歴史的歩みの概観、という2篇に分けて、講義を行う予定です。 1)まず最初のⅠ.では、経済学の主要学説の変遷を鳥瞰し、経済学の成立から現在の様々な経済学説の内容にいたるまでを簡単に概観します。経済学という学問が、主流派経済学のみのものではなく、それ以外のいろいろな諸経済学説によって構成されているということを理解することが、そこでの眼目となります。 2)後のⅡ.では、現在に至る経済の歴史・今日の世界経済の現状について、時代の流れに沿いながら大まかにその特徴を見ていきます。具体的には、 ①資本主義社会以前の諸社会 ②16世紀の「大航海時代」からの資本主義経済の勃興 ③19世紀における資本主義経済の確立 ④19世紀後半から第1次世界大戦までの資本主義経済の変容 ⑤戦間期における現代資本主義の胎動 ⑥第二次世界大戦以降の現代資本主義の確立 ⑦1980年代以降の現代資本主義の変質 ⑧21世紀初頭の現在、 という構成(いちおうの予定です)に沿って、現代経済にいたるまでの歴史的な流れを説明して、資本主義経済の現状を歴史的に概観します。 また、商品経済の勃興とともに出現した社会現象に対する数量的な見方についても、「科学史」的な観点から考察します。 |
(3)授業のキーワード | 経済史、経済理論、経済学説 |
(4)授業計画 | 変更の余地はありますが、以下のように進めていく予定。
第1回 序 世界経済の捉え方と経済学 第2回 Ⅰ.資本主義経済の発展と経済学の歩み―古典派経済学とそれ以前 第3回 古典派経済学以降の経済学―新古典派とケインズ 第4回 古典派経済学以降の経済学―マルクスと経済学批判
第5回 Ⅱ.世界経済の歴史的歩み 資本主義以前の諸社会 第6回 「重商主義」の時代と資本主義社会の形成―パックス・ブリタニカの形成期 第7回 「自由主義」の時代と資本主義経済の確立―パックス・ブリタニカの確立期 第8回 「帝国主義」の時代と爛熟期の資本主義―パックス・ブリタニカの爛熟期 第9回 両大戦間期の世界経済――現代資本主義の胎動―― 第10回 世界大恐慌(1929‐33)と各国の対応 第11回 現代資本主義の確立と変容―パックス・アメリカーナの確立 第12回 第二次世界大戦後の世界経済と高度経済成長 第13回 1970年代以降の戦後蓄積体制の変質―パックス・アメリカーナの動揺と再編 第14回 新自由主義的局面への転換とレーガノミックス 第15回 金融グローバル化と新帝国循環―グローバル化の進展と限界,授業アンケート |
(5)成績評価の方法 | 課題と試験で行います(講義後提出のレスポンスシート10%、中間試験10%、期末試験80%)。 |
(6)成績評価の基準 | 成績評価で90点以上なら「卓越している」、80点以上なら「かなり上にある」、70点以上ならば「やや上にある」、60点以上なら「水準にある」。 |
(7)事前事後学習の内容 | 毎回復習をして講義に臨んでください。
※この授業は90時間の学修を必要とする内容です。従って,60時間以上の時間外学習が必要となります。 |
(8)履修上の注意 | 毎回、講義資料を配布します。 |
(9)質問,相談への対応 | 講義後、受け付けます。 |
(10)授業への出席 | 全ての回に出席することを基本とします。 |
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 | 「学修の補充の対象とする事由」により出席できない場合は,共通教育履修案内に掲載されている方法により補充を受けるための申請をおこなってください。 |
【教科書】 | SGCIME編『現代経済の解読―グローバル資本主義と日本経済 第3版』 ISBN-10: 4275020774,ISBN-13: 978-4275020772,御茶の水書房,2017年,2700円
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【参考書】 | 宇野弘蔵,『経済政策論 改訂版』,ISBN-10: 4335450060,ISBN-13: 978-4335450068,弘文堂,1971年,2500円+税 その他、講義中に指示します。 |
【添付ファイル】 |
なし |