(1)授業の達成目標 | 授業で得られる「学位授与の方針」要素 | ⇔ | 【授業の達成目標】 | 大学DP | 学士の称号にふさわしい基礎学力と専門的学力 | ⇔ | 人工知能技術の現状を歴史的発展を踏まえて俯瞰できるようになる |
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(2)授業の概要 | 現代の社会に人工知能技術は急速に浸透しつつあります.人間に代わる水準のさまざまな技術が登場してきたのは,ここ10年くらいのことですが,そうした人工知能に関する研究およびその応用は,最近になって急に可能になったわけではありません. この授業では人工知能技術が,なぜ最近になって浸透するようになったのだろうかという問題を理解するために,その背景をさまざまな要素にさかのぼって歴史的に俯瞰することで,今後も急速に浸透していくだろう人工知能技術の将来への展望も与えたいと思います. 人工知能技術は現在進行中のものであり,また世の中で常用される技術を対象としていることを踏まえて,環境,教育,地域の問題など,なるべくタイムリーな話題を扱いながら授業の展開を進めます. 講義では授業計画にあげたような人工知能と関係する多くの話題を扱います.授業で提示した課題に関して各自が1週間ごとに調べてまとめた事柄をテストする目的で,毎回の課題提示が大学提供のeALPS上で行なわれます.この授業では歴史を扱いますが,課題の多くは現代と結びつけて考える問題です.それらの答えを見つける中でみなさん一人一人の課題探求能力を磨いてください. |
(3)授業のキーワード | 課題発見・解決,論理的思考,知的財産権 |
(4)授業計画 | 初回は授業ガイダンスに当てます. 人工知能の構成につながる以下の話題について,なるべくタイムリーな課題を扱いながら進めるため,各話題は順不同です. ・人工知能で無用になる仕事 ・検索や翻訳は人工知能技術 ・コンピュータの発達 ・インターネットの発達 ・脳科学の発展と人工知能 ・アルゴリズムの世界 ・アナログコンピュータの再登場 ・オープンソース文化の広がり ・画像や音声情報の認識 ・数学(計算)の処理 ・統計学の発達 ・未来の計算機 |
(5)成績評価の方法 | 毎回の授業に対する課題として,小テストおよび掲示板を通じた数百文字程度のレポートをeALPS上で実施し,これにもとづき評価します.授業で扱う課題の特長に応じて,いずれかの課題が課されないこともあります.また授業に相応しい良い質問をすることに加点します. 100点満点と考えるとき,小テスト50点前後,レポート30点前後,良い質問20点前後の配分です. |
(6)成績評価の基準 | 小テストやレポートなどの多くで合格点をとれば「その水準にある」,課題のほとんどで合格点をとり,さらに課題の多くで上にある水準の得点をとれば「やや上にある」,課題のほとんどで上にある水準の得点をとれば「かなり上にある」,その上で,授業に相応しい良い質問を授業の最中にできれば「卓越している」. 期末試験は行いません. |
(7)事前事後学習の内容 | 毎回の授業においては,eALPS上に指示のある復習すべき内容をもとに小テストや掲示板等の課題が提供,そして実施されます. 復習すべき学習レベルの参考に,授業ごとの練習問題も提供されます. 人工知能利用で変わりつつある私達の社会に関わる話題の中から,みなさんの日常に関係する話題を随時紹介して行きますので,興味をもっていろいろな記事を読むようにしてください.
※この授業は90時間の学修を必要とする内容です。従って,60時間以上の時間外学習が必要となります。 |
(8)履修上の注意 | 第1週授業で行うガイダンスの内容に関してはeALPS上に資料があります.教室ガイダンスは,この資料にない情報の提供は基本的にないので,質問がなければ数分で終了します.
受講希望者が多い場合,学部バランスを考慮して抽選により受講者を決定します.
予習は必要ありませんが復習は必須です. 練習問題があるときは授業後数日で表示されなくなります.小テスト等の受験前にすべき復習のための視点はeALPS上でも指摘してあります. テスト等はいずれも授業を前提とした視点のもとでの回答を要請するものであり,小テストの出題に際しては授業の視点に関する解説は含みません.eALPS上の各課題については回答期限が定められているので学習のペースコントロールをしっかりとしてください.
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(9)質問,相談への対応 | eALPS上の掲示板およびメール szkjiro@shinshu-u.ac.jp によります.研究室を尋ねる際もメールによる事前連絡で時間調整をお願いします. |
(10)授業への出席 | 授業時間内でないと参加できない課題(成績評価外)もあります. |
(11)授業に出席できない場合の学修の補充 | 事情により受講できなかった授業回でもオンラインでの課題提出に参加できます. |
【教科書】 | 指定しない |
【参考書】 | 村井純他編『角川インターネット講座(全15巻)』(角川学芸出版) ハフナー他『インターネットの起源』(アスキー) スタンデージ『ヴィクトリア朝時代のインターネット』(NTT出版) スタンデージ『謎のチェス指し人形ターク』(NTT出版) ランダール『インターネットヒストリー オープンソース革命の起源』(オライリー・ジャパン) 杉本舞『人工知能前夜』(青土社) スティグラー『統計学の7原則 人が築いた知恵の支柱』(パンローリング) セルージ『コンピュータって:機械式計算機からスマホまで』(東洋経済新報社) ジョン・バッテル『ザ・サーチ グーグルが世界を変えた』(日経BP社) 清水亮『教養としての生成AI』(幻冬舎新書) スタイナー『アルゴリズムが世界を支配する』(角川書店) 岩本晃一『AIと日本の雇用』(日本経済新聞出版社) 新井紀子『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社) 井上智洋『人工知能と経済の未来』(文春新書) ティエリー・ポイボー『機械翻訳 歴史・技術・産業』(森北出版) ウォルター・アイザックソン『イノベーターズI, II』(日経BP社) 岡野原大輔「大規模言語モデルは新たな知能か」(岩波書店) |
【添付ファイル】 |
なし |